小児における1リザーバー吸引補助脱血法の検討
【要旨】小児体外循環システムにおいて,充填量を一番削減できる方法は吸引補助脱血法(VAVR)と考えたが,2リザーバーシステムでは静脈リザーバー,心内血貯血槽それぞれにVOLUMEが残ってしまい,回路全体の充填量が増える可能性がある。しかし,1リザーバーシステムではサッカー,ベント流量がリザーバー内圧に影響する可能性があるため,実験回路を試作し検討した。リザーバー内圧を-60mmHgに維持し,通常臨床で使用されるサッカー,ベント流量2l/minでは-58.3mmHgと問題となる低下でなかった。また,最大脱血量1.2l/minが得られるリザーバー内圧はHt30%の場合12Fr+12Frで-77.5...
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Published in | 体外循環技術 Vol. 28; no. 2; pp. 54 - 57 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本体外循環技術医学会
2001
日本体外循環技術研究会 |
Subjects | |
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ISSN | 0912-2664 1884-5452 |
DOI | 10.7130/hokkaidoshakai.28.2_54 |
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Summary: | 【要旨】小児体外循環システムにおいて,充填量を一番削減できる方法は吸引補助脱血法(VAVR)と考えたが,2リザーバーシステムでは静脈リザーバー,心内血貯血槽それぞれにVOLUMEが残ってしまい,回路全体の充填量が増える可能性がある。しかし,1リザーバーシステムではサッカー,ベント流量がリザーバー内圧に影響する可能性があるため,実験回路を試作し検討した。リザーバー内圧を-60mmHgに維持し,通常臨床で使用されるサッカー,ベント流量2l/minでは-58.3mmHgと問題となる低下でなかった。また,最大脱血量1.2l/minが得られるリザーバー内圧はHt30%の場合12Fr+12Frで-77.5mmHg,12Fr+14Frで-63mmHg,水を使用した実験では12Fr+12Frで-48.8mmHgであった。Htの低い症例では脱血カニューレの細径化は可能と考えられた。また,体重5~7.5kgの臨床3例でVAVRを行った。充填量は従来の270mlから223~231mlに減少した。脱血カニューレは12Fr+12Frで行い,最大リザーバー内圧-46mmHgで,3例とも無輸血手術が可能であった。 |
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ISSN: | 0912-2664 1884-5452 |
DOI: | 10.7130/hokkaidoshakai.28.2_54 |