当院で経験したANCA関連腎炎症例の主訴に関する検討

1. はじめに 患者血清中に抗好中球細胞質抗体(anti-neutrophil cytoplasmic antibody:ANCA)が存在する腎炎をANCA関連腎炎と呼ぶ. そして, ANCA関連腎炎では, ANCAが病態に密接に関与し, 病状を反映することが知られている1-3). このANCA関連腎炎の治療予後を改善させるためには, 早期診断, 早期治療が極めて重要である. しかしわれわれは, 主訴からは腎臓が悠いことがすぐに連想できず, 治療が遅れることを経験した, , そこで, ANCA関連腎炎の臨床像, 特にその主訴を検討し, 早期診断に役立てることを目的として, 本研究を行った. 2...

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Published in日本未病システム学会雑誌 Vol. 11; no. 1; pp. 86 - 88
Main Authors 大村, 豪, 松山, 公彦, 田中, 正巳, 松尾, 耕一, 石川, 晋介
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本未病システム学会 2005
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ISSN1347-5541
2185-2162
DOI10.11288/mibyou1998.11.86

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Summary:1. はじめに 患者血清中に抗好中球細胞質抗体(anti-neutrophil cytoplasmic antibody:ANCA)が存在する腎炎をANCA関連腎炎と呼ぶ. そして, ANCA関連腎炎では, ANCAが病態に密接に関与し, 病状を反映することが知られている1-3). このANCA関連腎炎の治療予後を改善させるためには, 早期診断, 早期治療が極めて重要である. しかしわれわれは, 主訴からは腎臓が悠いことがすぐに連想できず, 治療が遅れることを経験した, , そこで, ANCA関連腎炎の臨床像, 特にその主訴を検討し, 早期診断に役立てることを目的として, 本研究を行った. 2. 対象 平成5年から平成13年の間に当院で経験した, ANCA関連腎炎7例の主訴を検討した. 3. 症例提示 1. 症例1 症例:81歳, 男性. 主訴:呼吸因難, 食欲低下, 喀血. 現病歴:平成12年4月, 膀胱癌転移の検索目的で造影CTを施行した. 6月から食欲低下, 8月から痰に血が混じるようになった. 8月14日に呼吸困難, 喀血のため当院に搬送された.
ISSN:1347-5541
2185-2162
DOI:10.11288/mibyou1998.11.86