小児腎移植直後におけるタクロリムス持続静注の初期投与量推算式の作成

【背景および目的】当科では小児腎移植術後から内服が可能になるまで血中濃度10 ng/mLを目標にタクロリムスの持続静注を行っている.術後の血中濃度を安定させるため,持続静注量の推算式作成を試みた.【方法】2016年1月–2023年8月に当院で腎移植を行った20歳未満の症例のうちタクロリムス持続静注を行い,血中濃度を測定した症例を対象とし後方視的検討をした.36例が該当し,血中濃度10 ng/mLを目標とする持続静注量を目的変数として多変量解析を行った.【結果】タクロリムス持続静注量は中央値0.48 mg/日(四分位範囲0.35–0.64),血中濃度は33例が手術翌日に測定しており12.5 ng...

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Published in日本小児腎臓病学会雑誌 Vol. 38; pp. oa.24-028 - 0
Main Authors 真島, 久和, 服部, 俊彦, 後藤, 芳充
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本小児腎臓病学会 2025
日本小児腎臓病学会
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Summary:【背景および目的】当科では小児腎移植術後から内服が可能になるまで血中濃度10 ng/mLを目標にタクロリムスの持続静注を行っている.術後の血中濃度を安定させるため,持続静注量の推算式作成を試みた.【方法】2016年1月–2023年8月に当院で腎移植を行った20歳未満の症例のうちタクロリムス持続静注を行い,血中濃度を測定した症例を対象とし後方視的検討をした.36例が該当し,血中濃度10 ng/mLを目標とする持続静注量を目的変数として多変量解析を行った.【結果】タクロリムス持続静注量は中央値0.48 mg/日(四分位範囲0.35–0.64),血中濃度は33例が手術翌日に測定しており12.5 ng/mL(10.8–15.0)であった.血中濃度10 ng/mLを目標とする持続静注量(mg/日)=1.358×体表面積(m2)−0.04809×年齢(yrs.)−0.27774であり,決定係数は0.38であった.【結論】小児腎移植術後にFK持続静注を行う場合,血中濃度10 ng/mLを目標とする持続静注量(mg/日)=1.358×体表面積(m2)−0.04809×年齢(yrs.)−0.27774である.
ISSN:0915-2245
1881-3933
DOI:10.3165/jjpn.oa.24-028