腹腔鏡下切除を行った限局性盲腸壊死の1例

症例は82歳,男性.来院前日から腹痛が出現し,血便も認めたため当院紹介となった.腹部は平坦・硬で腹部全体に圧痛を認め,反跳痛,筋性防御も伴っていた.腹部単純CTで回盲部から上行結腸に著名な壁肥厚,周囲の炎症所見,腸管外ガスを認め,また血液生化学所見では白血球数とCRPの上昇を認めた.結腸穿孔と診断し同日腹腔鏡下に緊急手術を行い,術中所見で盲腸に虚血壊死所見を認めたため腹腔鏡下回盲部切除術を行った.術後経過は問題なく術後11日目に退院となった.稀な疾患である限局性盲腸壊死に対し腹腔鏡下に切除を行った1例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 83; no. 9; pp. 1615 - 1619
Main Authors 田上, 誉史, 淺野間, 理仁, 吉田, 禎宏, 正宗, 克浩, 吉川, 幸造, 島田, 光生
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2022
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.83.1615

Cover

More Information
Summary:症例は82歳,男性.来院前日から腹痛が出現し,血便も認めたため当院紹介となった.腹部は平坦・硬で腹部全体に圧痛を認め,反跳痛,筋性防御も伴っていた.腹部単純CTで回盲部から上行結腸に著名な壁肥厚,周囲の炎症所見,腸管外ガスを認め,また血液生化学所見では白血球数とCRPの上昇を認めた.結腸穿孔と診断し同日腹腔鏡下に緊急手術を行い,術中所見で盲腸に虚血壊死所見を認めたため腹腔鏡下回盲部切除術を行った.術後経過は問題なく術後11日目に退院となった.稀な疾患である限局性盲腸壊死に対し腹腔鏡下に切除を行った1例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.83.1615