CT検査で術前診断可能であった横行結腸間膜裂孔ヘルニアの1例

横行結腸間膜裂孔ヘルニアは比較的まれな内ヘルニアの1つである。術前の画像診断は困難とされ,手術所見により本症の診断に至ることが多い。症例は80歳,男性。虫垂切除術の既往があった。腹痛を主訴に当院を受診した。腹部造影CT検査で,中結腸動脈近傍に集束するようにclosed loopを形成した小腸を認めた。横行結腸間膜裂孔ヘルニアによる内ヘルニアと診断し,緊急手術を施行した。手術所見では横行結腸間膜に15mm大の全層欠損を認め,同部に小腸が嵌入していた。陥入していた小腸に壊死を認めず,用手的に内ヘルニアを整復後,ヘルニア門を縫縮した。術後経過良好で術後第8病日に退院した。今回われわれは,腹部造影CT...

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Published in日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 43; no. 7; pp. 1093 - 1096
Main Authors 武藤, 靖英, 原, 仁司, 木戸, 知紀, 宮田, 量平, 清水, 誠仁
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 30.11.2023
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ISSN1340-2242
1882-4781
DOI10.11231/jaem.43.1093

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Summary:横行結腸間膜裂孔ヘルニアは比較的まれな内ヘルニアの1つである。術前の画像診断は困難とされ,手術所見により本症の診断に至ることが多い。症例は80歳,男性。虫垂切除術の既往があった。腹痛を主訴に当院を受診した。腹部造影CT検査で,中結腸動脈近傍に集束するようにclosed loopを形成した小腸を認めた。横行結腸間膜裂孔ヘルニアによる内ヘルニアと診断し,緊急手術を施行した。手術所見では横行結腸間膜に15mm大の全層欠損を認め,同部に小腸が嵌入していた。陥入していた小腸に壊死を認めず,用手的に内ヘルニアを整復後,ヘルニア門を縫縮した。術後経過良好で術後第8病日に退院した。今回われわれは,腹部造影CT検査で術前診断しすみやかに緊急手術を施行し得た横行結腸間膜裂孔ヘルニアの1例を経験したので報告する。
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem.43.1093