大学病院の使命: 専門分化と統合の拠点

2004年度に新たな卒後臨床研修制度が始まって8年が経過しました. 研修医にも指導医にも一時期の困惑感はなくなり, 現場も落ち着いて参りました. それと同時に, 初期臨床研修と後期臨床研修の研修先に関して, 当初にみられた大学離れに歯止めがかかり, 大学志向が増加傾向にあるように感じています. もちろん, 都会と地方とでは, 研修医の動向は大きく異なると思いますが, 比較的, 大学病院に復権の兆しがあるようです. 本稿では, 大学病院の強みを述べたいと思います. 循環器内科は, 虚血, 不整脈, 心エコー, 心臓リハビリ, 心臓核医学などとますます専門分化し, 若い人が曝露される最先端の技術や...

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Published in心臓 Vol. 44; no. 2; p. 95
Main Author 倉林, 正彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2012
日本心臓財団
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Summary:2004年度に新たな卒後臨床研修制度が始まって8年が経過しました. 研修医にも指導医にも一時期の困惑感はなくなり, 現場も落ち着いて参りました. それと同時に, 初期臨床研修と後期臨床研修の研修先に関して, 当初にみられた大学離れに歯止めがかかり, 大学志向が増加傾向にあるように感じています. もちろん, 都会と地方とでは, 研修医の動向は大きく異なると思いますが, 比較的, 大学病院に復権の兆しがあるようです. 本稿では, 大学病院の強みを述べたいと思います. 循環器内科は, 虚血, 不整脈, 心エコー, 心臓リハビリ, 心臓核医学などとますます専門分化し, 若い人が曝露される最先端の技術や情報は膨大となっています. そして, 学会活動にしましても, 国内では, 日本循環器学会, 日本心臓病学会, 日本不整脈学会, 日本心血管インターベンション治療学会, 日本心エコー図学会, 日本心臓リハビリテーション学会, また, 日本動脈硬化学会, 日本高血圧学会, 日本心血管内分泌代謝学会などなど, 多数の学会があり, また, 海外ではAHA, ACCやESCなどをはじめとする一流の学会があります.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.44.95