PEG―ポリアミノ酸ブロック共重合体の自己組織化体:高分子ミセル型DDS

ポリエチレングリコール(PEG)とポリアミノ酸のブロック共重合体の自己組織化により得られる高分子ミセルは、さまざまな薬物や核酸に対するナノスケールのDDSとして広く展開されている。高分子ミセルは、薬物・核酸封入コアを生体適合性のPEGシェルが覆うコア-シェル構造をとり、その粒径は100 nm以下かつ単分散である。その結果、長期血中滞留性を獲得し、EPR効果を介して腫瘍組織へと薬物・核酸をデリバリーする全身投与DDSとして期待されている。さらに、ブロック共重合体の精密設計を通じて、高分子ミセルの高機能化・多機能化も活発に行われている。本稿は、高分子ミセル型DDSに関する基礎から最新の研究成果にい...

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Published inDrug Delivery System Vol. 31; no. 4; pp. 283 - 292
Main Authors 宮田, 完二郎, 長田, 健介, 片岡, 一則
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本DDS学会 2016
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Summary:ポリエチレングリコール(PEG)とポリアミノ酸のブロック共重合体の自己組織化により得られる高分子ミセルは、さまざまな薬物や核酸に対するナノスケールのDDSとして広く展開されている。高分子ミセルは、薬物・核酸封入コアを生体適合性のPEGシェルが覆うコア-シェル構造をとり、その粒径は100 nm以下かつ単分散である。その結果、長期血中滞留性を獲得し、EPR効果を介して腫瘍組織へと薬物・核酸をデリバリーする全身投与DDSとして期待されている。さらに、ブロック共重合体の精密設計を通じて、高分子ミセルの高機能化・多機能化も活発に行われている。本稿は、高分子ミセル型DDSに関する基礎から最新の研究成果にいたるまでを、読者の理解が深まるよう筆者らの実験結果を中心に概説する。
ISSN:0913-5006
1881-2732
DOI:10.2745/dds.31.283