急性虫垂炎を合併した虫垂原発Burkitt lymphomaの1例

腸管原発のBurkittリンパ腫は非常に稀な疾患である.今回われわれは,虫垂原発のBurkittリンパ腫の成人発症例を経験したので報告する.症例は27歳,男性.主訴は右下腹部痛である.虫垂炎の診断で保存的加療が行われたが,退院後に症状が再燃し虫垂切除術を施行した.病理組織学的検査にて虫垂壁粘膜から筋層にかけての異型リンパ球様細胞の増殖を認め,免疫染色の結果,CD10弱陽性,CD20陽性,MIB-1多数陽性であり,FISH法によるc-mycの転座を認め,Burkittリンパ腫の診断となった.術後は血液内科にてR-hyper-CVAD/MA療法を施行した.腸管原発Burkittリンパ腫は回盲部に発...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 83; no. 7; pp. 1312 - 1317
Main Authors 片方, 雅紀, 藤田, 正太郎, 伊藤, 泰輔, 石井, 芳正, 河野, 浩二, 青砥, 慶太
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2022
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.83.1312

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Summary:腸管原発のBurkittリンパ腫は非常に稀な疾患である.今回われわれは,虫垂原発のBurkittリンパ腫の成人発症例を経験したので報告する.症例は27歳,男性.主訴は右下腹部痛である.虫垂炎の診断で保存的加療が行われたが,退院後に症状が再燃し虫垂切除術を施行した.病理組織学的検査にて虫垂壁粘膜から筋層にかけての異型リンパ球様細胞の増殖を認め,免疫染色の結果,CD10弱陽性,CD20陽性,MIB-1多数陽性であり,FISH法によるc-mycの転座を認め,Burkittリンパ腫の診断となった.術後は血液内科にてR-hyper-CVAD/MA療法を施行した.腸管原発Burkittリンパ腫は回盲部に発生することが多い.本疾患は急性腹症により手術が必要な状態で発見されることも多く,可能な限り早期の確定診断と化学療法を含む集学的治療を行うことが重要である.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.83.1312