Ramsay Hunt症候群に合併した三叉神経領域の帯状疱疹関連痛に対しガッセル神経節パルス高周波法を施行した1症例
Ramsay Hunt症候群を合併した三叉神経領域の帯状疱疹関連痛に対し,ガッセル神経節にパルス高周波法(pulsed radiofrequency:PRF)を施行し改善し得たので報告する.症例は51歳の男性,1カ月前より皮疹を伴う右頬部,下顎,頚部の痛みおよび右内耳の違和感・痛みを自覚し,近医で三叉神経領域の帯状疱疹と診断された.発症初期より右顔面神経麻痺と味覚障害がありRamsay Hunt症候群の合併の診断で,前医入院にてステロイド投与,末梢神経ブロック,内服治療が開始されたが,同部位の痛み,顔面神経麻痺および味覚障害が残存したため当院ペインセンターに紹介となった.超音波ガイド下に浅頚神...
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Published in | 日本ペインクリニック学会誌 Vol. 30; no. 8; pp. 194 - 197 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本ペインクリニック学会
25.08.2023
日本ペインクリニック学会 |
Subjects | |
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ISSN | 1340-4903 1884-1791 |
DOI | 10.11321/jjspc.23-0006 |
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Summary: | Ramsay Hunt症候群を合併した三叉神経領域の帯状疱疹関連痛に対し,ガッセル神経節にパルス高周波法(pulsed radiofrequency:PRF)を施行し改善し得たので報告する.症例は51歳の男性,1カ月前より皮疹を伴う右頬部,下顎,頚部の痛みおよび右内耳の違和感・痛みを自覚し,近医で三叉神経領域の帯状疱疹と診断された.発症初期より右顔面神経麻痺と味覚障害がありRamsay Hunt症候群の合併の診断で,前医入院にてステロイド投与,末梢神経ブロック,内服治療が開始されたが,同部位の痛み,顔面神経麻痺および味覚障害が残存したため当院ペインセンターに紹介となった.超音波ガイド下に浅頚神経叢ブロックとオトガイ神経ブロックを施行したところ,痛みは半減したものの残存し,右内耳の違和感・痛みと味覚障害も持続したため,1週間後に透視下でガッセル神経節にPRFを施行した.施行後,痛みは消失し右頬部に軽度の痺れを残すのみとなり,顔面神経障害による症状も良好な経過をたどった.顔面の複数の神経支配領域に症状が及ぶ帯状疱疹関連痛において,内服治療や末梢神経ブロックで症状改善に難渋する場合には,早期のガッセル神経節ブロックが有効と考えられた. |
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ISSN: | 1340-4903 1884-1791 |
DOI: | 10.11321/jjspc.23-0006 |