呼吸不全で発症した特発性右横隔膜ヘルニアの1例

症例は54歳,肥満(2度)男性.5年前より検診で右横隔膜挙上を指摘されていた.呼吸困難を主訴に受診し,胸腹部造影CTで右胸腔内に小腸,横行結腸,大網の脱出を認め,横隔膜ヘルニアと診断した.造影CT後より,咳発作を認め,呼吸不全となった.入院の上,人工呼吸管理とするも呼吸状態は改善を認めず,手術を施行した.開胸すると,右横隔膜腱中心に約10cm大の欠損を認め,脱出臓器は肝右葉,胆嚢,小腸,横行結腸,大網であった.脱出臓器が大量であり,大網切除と胆嚢摘出にて容積減量後,脱出臓器を還納し,ヘルニア門にメッシュを固定して手術を終了した.術後3年経過した現在も再発を認めていない.呼吸不全に至り,人工呼吸...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 82; no. 3; pp. 529 - 533
Main Authors 永野, 晃史, 原, 幹太朗, 松田, 由美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2021
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.82.529

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Summary:症例は54歳,肥満(2度)男性.5年前より検診で右横隔膜挙上を指摘されていた.呼吸困難を主訴に受診し,胸腹部造影CTで右胸腔内に小腸,横行結腸,大網の脱出を認め,横隔膜ヘルニアと診断した.造影CT後より,咳発作を認め,呼吸不全となった.入院の上,人工呼吸管理とするも呼吸状態は改善を認めず,手術を施行した.開胸すると,右横隔膜腱中心に約10cm大の欠損を認め,脱出臓器は肝右葉,胆嚢,小腸,横行結腸,大網であった.脱出臓器が大量であり,大網切除と胆嚢摘出にて容積減量後,脱出臓器を還納し,ヘルニア門にメッシュを固定して手術を終了した.術後3年経過した現在も再発を認めていない.呼吸不全に至り,人工呼吸管理を要した成人特発性横隔膜ヘルニアの1手術例を経験したので報告する.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.82.529