VTEに対するリバーロキサバンによる抗凝固療法—用量別の治療成績についての後方視的検討

リバーロキサバンは単一薬剤での静脈血栓塞栓症(以下VTE)治療が本邦で最初に可能となった直接作用型経口抗凝固薬である.2013~2018年にリバーロキサバンによる抗凝固療法を施行したVTE 178例を対象とし(近位型11例,肺血栓塞栓症3例),用量別に治療成績を検討した.30 mgによる強化療法後維持療法(30 mg群)が30例,15 mgによる維持療法(15 mg群)が114例,10 mg使用(10 mg群)が34例で,血栓消失率はそれぞれ73.3%,78.9%,79.4%,血栓消失日数は平均29.0日,26.7日,22.9日であった.臨床的出血例は30 mg群2例(6.7%),15 mg群...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in静脈学 Vol. 31; no. 3; pp. 89 - 93
Main Author 武内, 謙輔
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本静脈学会 22.07.2020
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0915-7395
2186-5523
DOI10.7134/phlebol.19-24

Cover

Loading…
More Information
Summary:リバーロキサバンは単一薬剤での静脈血栓塞栓症(以下VTE)治療が本邦で最初に可能となった直接作用型経口抗凝固薬である.2013~2018年にリバーロキサバンによる抗凝固療法を施行したVTE 178例を対象とし(近位型11例,肺血栓塞栓症3例),用量別に治療成績を検討した.30 mgによる強化療法後維持療法(30 mg群)が30例,15 mgによる維持療法(15 mg群)が114例,10 mg使用(10 mg群)が34例で,血栓消失率はそれぞれ73.3%,78.9%,79.4%,血栓消失日数は平均29.0日,26.7日,22.9日であった.臨床的出血例は30 mg群2例(6.7%),15 mg群6例(5.3%),10 mg群ではみられなかった.リバーロキサバンは最長3週間の強化療法から15 mg, 10 mgまで幅広い用量調整が可能で,いずれの用量でも治療効果に優れており臨床的出血例は少なく安全に使用できた.
ISSN:0915-7395
2186-5523
DOI:10.7134/phlebol.19-24