感染性膝窩動脈瘤に対し一期的瘤切除,血行再建術を行った1 例

要旨:症例は52 歳,男性.左膝窩部の腫脹,疼痛を主訴に近医を受診し,急速に増大する膝窩動脈瘤の診断にて当院搬送となった.来院時,発熱および炎症反応高値を認め,左膝窩部に著明な拍動性の腫脹,発赤,圧痛を認めた.CT 撮像にて最大短径43 m の膝窩動脈瘤,瘤周囲に液貯留を疑う所見を認めた.以上から感染性膝窩動脈瘤切迫破裂の診断にて緊急手術を行った.手術はまず後方アプローチにて感染瘤の切除および感染組織のデブライドメントを行い,創を閉鎖後,内側アプローチにて血行再建術を行った.動脈瘤壁および瘤周囲膿汁の培養より黄色ブドウ球菌が検出され,感受性結果に基づき適切な抗生剤投与を行った.術後,感染兆候は...

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Published in日本血管外科学会雑誌 Vol. 23; no. 3; pp. 748 - 751
Main Authors 山田, 光倫, 奥田, 直樹, 田内, 祐也, 渋川, 貴規, 渋谷, 卓, 佐藤, 尚司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本血管外科学会 2014
日本血管外科学会
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ISSN0918-6778
1881-767X
DOI10.11401/jsvs.13-00091

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Summary:要旨:症例は52 歳,男性.左膝窩部の腫脹,疼痛を主訴に近医を受診し,急速に増大する膝窩動脈瘤の診断にて当院搬送となった.来院時,発熱および炎症反応高値を認め,左膝窩部に著明な拍動性の腫脹,発赤,圧痛を認めた.CT 撮像にて最大短径43 m の膝窩動脈瘤,瘤周囲に液貯留を疑う所見を認めた.以上から感染性膝窩動脈瘤切迫破裂の診断にて緊急手術を行った.手術はまず後方アプローチにて感染瘤の切除および感染組織のデブライドメントを行い,創を閉鎖後,内側アプローチにて血行再建術を行った.動脈瘤壁および瘤周囲膿汁の培養より黄色ブドウ球菌が検出され,感受性結果に基づき適切な抗生剤投与を行った.術後,感染兆候は速やかに改善し,感染の再燃や吻合部の問題などは認めず,良好な結果を得た.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.13-00091