大腿–膝窩動脈バイパスと臀部アプローチによる瘤切除を施行した遺残坐骨動脈瘤の一手術例

遺残坐骨動脈は稀な先天異常であり,動脈瘤を形成することにより下肢動脈虚血の原因となりえる.症例は84歳女性,右下肢痛を主訴に前医を受診した.CTで壁在血栓を伴う右遺残坐骨動脈瘤と膝窩動脈以遠の閉塞を認めた.初期の抗血栓療法は効果的であったが,右下肢痛が再燃し潰瘍形成のため足趾切断を要した.血栓塞栓症の再発予防目的に大腿動脈–膝窩動脈バイパス術と臀部アプローチによる動脈瘤切除を施行し,良好な結果を得たため報告する....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本血管外科学会雑誌 Vol. 31; no. 4; pp. 249 - 252
Main Authors 澁谷, 卓, 松田, 均, 野田, 和樹, 陽川, 孝樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本血管外科学会 11.08.2022
日本血管外科学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0918-6778
1881-767X
DOI10.11401/jsvs.22-00049

Cover

More Information
Summary:遺残坐骨動脈は稀な先天異常であり,動脈瘤を形成することにより下肢動脈虚血の原因となりえる.症例は84歳女性,右下肢痛を主訴に前医を受診した.CTで壁在血栓を伴う右遺残坐骨動脈瘤と膝窩動脈以遠の閉塞を認めた.初期の抗血栓療法は効果的であったが,右下肢痛が再燃し潰瘍形成のため足趾切断を要した.血栓塞栓症の再発予防目的に大腿動脈–膝窩動脈バイパス術と臀部アプローチによる動脈瘤切除を施行し,良好な結果を得たため報告する.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.22-00049