左心耳閉鎖デバイス留置1年半後にデバイス関連血栓症による脳塞栓症を呈した1例

症例は73歳男性.非弁膜症性心房細動のためDOAC内服中,繰り返す消化管出血による貧血のため,経皮的左心耳閉鎖デバイスを留置した.留置後低用量DOACを投与し,留置後90日でClopidogrelへ変更した.デバイス留置後18カ月に左中大脳動脈領域塞栓性脳梗塞を発症した.デバイス関連血栓症を認めたため,DOACを再開し,1カ月後には消失した.CYP2C19遺伝子多型検査でCLP不応症と考えられ,デバイス関連血栓症のリスク因子である持続性心房細動,TIAや脳卒中の既往,左心耳径拡大も認めていた.本例のような高リスク症例では,デバイス留置後CYP2C19に基づいた抗血栓薬の選択を考慮すべきだと考え...

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Published in脳卒中 Vol. 46; no. 6; pp. 453 - 458
Main Authors 田中, 将大, 佐藤, 慎治, 佐竹, 洸亮, 五十嵐, 晃平, 本間, 博, 小久保, 安昭, 園田, 順彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中学会 2024
日本脳卒中学会
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Summary:症例は73歳男性.非弁膜症性心房細動のためDOAC内服中,繰り返す消化管出血による貧血のため,経皮的左心耳閉鎖デバイスを留置した.留置後低用量DOACを投与し,留置後90日でClopidogrelへ変更した.デバイス留置後18カ月に左中大脳動脈領域塞栓性脳梗塞を発症した.デバイス関連血栓症を認めたため,DOACを再開し,1カ月後には消失した.CYP2C19遺伝子多型検査でCLP不応症と考えられ,デバイス関連血栓症のリスク因子である持続性心房細動,TIAや脳卒中の既往,左心耳径拡大も認めていた.本例のような高リスク症例では,デバイス留置後CYP2C19に基づいた抗血栓薬の選択を考慮すべきだと考えられる.
ISSN:0912-0726
1883-1923
DOI:10.3995/jstroke.11248