BPSDの新規評価尺度:認知症困りごと質問票 BPSD+ Qの開発と 信頼性・妥当性の検討

【目的】BPSDの解決に向けた新規評価尺度である認知症困りごと質問票(BPSD+Q)を開発し、信頼性・妥当性を検証する。【方法】介護保険主治医意見書の周辺症状項目を中心とした過活動13項目、低活動6項目、生活関連6項目、せん妄2項目の計27項目を選定し、各質問項目の重症度と負担度を0~5点で評価するBPSD+Qを開発した。また、せん妄を除いた25項目をBPSD25Qとした。認知症高齢者83名を対象に、BPSD+QとNPI-Qを評価し、Spearman順位相関係数を用いて基準関連妥当性を検討した。内的一貫性はクロンバックのα係数で検討した。そのうちの55名を対象に、BPSD+QとNPI-Qを2週...

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Published in認知症ケア研究誌 Vol. 2; pp. 133 - 145
Main Authors 内藤, 典子, 滝口, 優子, 山口, 晴保, 藤生, 大我, 山上, 徹也, 伊東, 美緒
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社会福祉法人 認知症介護研究・研修東京センター 2018
Tokyo Center for Dementia Care Research and Practices
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ISSN2433-4995
DOI10.24745/jdcr.2.0_133

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Summary:【目的】BPSDの解決に向けた新規評価尺度である認知症困りごと質問票(BPSD+Q)を開発し、信頼性・妥当性を検証する。【方法】介護保険主治医意見書の周辺症状項目を中心とした過活動13項目、低活動6項目、生活関連6項目、せん妄2項目の計27項目を選定し、各質問項目の重症度と負担度を0~5点で評価するBPSD+Qを開発した。また、せん妄を除いた25項目をBPSD25Qとした。認知症高齢者83名を対象に、BPSD+QとNPI-Qを評価し、Spearman順位相関係数を用いて基準関連妥当性を検討した。内的一貫性はクロンバックのα係数で検討した。そのうちの55名を対象に、BPSD+QとNPI-Qを2週間後に再評価し、検者内信頼性をICC(1.1)で検討した。また、認知症高齢者4名のそれぞれを介護職員3名が評価して、検者間信頼性をICC(2.1)で検討した。【結果】BPSD+Qのクロンバックのα係数は重症度0.78、負担度0.80であった。BPSD+QとNPI-Qの相関は、重症度はρ=0.64(p<0.01)、負担度はρ=0.65(p<0.01)とやや強い有意な正の相関を認めた。ICC(1.1)で、BPSD+Q重症度はρ=0.68、負担度はρ=0.70であった。一方、NPI-Q重症度はρ=0.61、負担度はρ=0.55であった。ICC(2.1)で、BPSD+Q重症度はρ=0.73、負担度はρ=0.68であった。一方、NPI-Q重症度はρ=0.37、負担度はρ=0.45であった。BPSD25Qでも信頼性・妥当性はほぼ同様の結果だった。BPSD+Qでは、繰り返し質問(70%)、傾眠傾向(40%)、易怒性(37%)の出現率が高かった。【結論】BPSDを過活動、低活動、生活関連に分け、BPSDへの対応に根ざした評価尺度であるBPSD+QとBPSD25Qを開発し、信頼性・妥当性が確認された。
ISSN:2433-4995
DOI:10.24745/jdcr.2.0_133