胸腹部大動脈瘤に対するHybrid TEVAR術後の出血性合併症の検討

【目的】当科における胸腹部大動脈瘤に対するhybrid TEVARの成績,とくに周術期DICと出血性合併症について考察する.【方法】2011年1月~2022年9月にhybrid TEVARを施行した15例を検討し,術後成績,周術期DICおよび出血性合併症の評価を行った.【結果】術後30日死亡は脳出血の1例(6.7%)であった.術前DICを5例に認めたが,術後DICは11例と増加し,そのうち3例で出血性合併症を認めた.単変量解析では,出血性合併症のリスクとして術前FDP値,ステントグラフト治療長,大動脈瘤内血栓量が示唆された.【結論】胸腹部大動脈瘤に対するhybrid TEVARは,ハイリスク患...

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Published in日本血管外科学会雑誌 Vol. 34; no. 1; pp. 17 - 24
Main Authors 陣内, 宏紀, 山元, 博文, 諸隈, 宏之, 林, 奈宜, 大崎, 隼, 柚木, 純二, 馬場, 康平, 古賀, 佑一, 蒲原, 啓司, 高橋, 巴久
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本血管外科学会 09.02.2025
日本血管外科学会
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ISSN0918-6778
1881-767X
DOI10.11401/jsvs.24-00052

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Summary:【目的】当科における胸腹部大動脈瘤に対するhybrid TEVARの成績,とくに周術期DICと出血性合併症について考察する.【方法】2011年1月~2022年9月にhybrid TEVARを施行した15例を検討し,術後成績,周術期DICおよび出血性合併症の評価を行った.【結果】術後30日死亡は脳出血の1例(6.7%)であった.術前DICを5例に認めたが,術後DICは11例と増加し,そのうち3例で出血性合併症を認めた.単変量解析では,出血性合併症のリスクとして術前FDP値,ステントグラフト治療長,大動脈瘤内血栓量が示唆された.【結論】胸腹部大動脈瘤に対するhybrid TEVARは,ハイリスク患者における有用な選択肢である.しかし,術後DICの頻度が高く,それに伴う出血性合併症は致命的となるため,十分なリスク評価を行い,出血性合併症を未然に防ぐための治療介入を検討すべきと考えられた.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.24-00052