非閉塞性腸管虚血に対するインドシアニングリーン蛍光法を用いた術中腸管血流評価
【背景】非閉塞性腸管虚血(non-occlusive mesenteric ischemia:以下,NOMI)は非連続性,分節状の腸管虚血をきたすため,切除範囲決定に難渋することがある。【方法】2012年5月〜2020年11月にNOMIで腸管切除した51例を対象とし,27例に術中インドシアニングリーン(indocyanine green:以下,ICG)蛍光法を行った。術中ICG蛍光法の有用性を検討するため,生存群と死亡群,ICG蛍光法施行群と未施行群に分け,周術期因子を比較した。さらにICG蛍光所見と術中所見を術後病理所見と比較検討した。【結果】死亡群では術後発症が有意に多く,術前乳酸値,術前...
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Published in | 日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 41; no. 6; pp. 409 - 416 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本腹部救急医学会
30.09.2021
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Subjects | |
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ISSN | 1340-2242 1882-4781 |
DOI | 10.11231/jaem.41.6_409 |
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Summary: | 【背景】非閉塞性腸管虚血(non-occlusive mesenteric ischemia:以下,NOMI)は非連続性,分節状の腸管虚血をきたすため,切除範囲決定に難渋することがある。【方法】2012年5月〜2020年11月にNOMIで腸管切除した51例を対象とし,27例に術中インドシアニングリーン(indocyanine green:以下,ICG)蛍光法を行った。術中ICG蛍光法の有用性を検討するため,生存群と死亡群,ICG蛍光法施行群と未施行群に分け,周術期因子を比較した。さらにICG蛍光所見と術中所見を術後病理所見と比較検討した。【結果】死亡群では術後発症が有意に多く,術前乳酸値,術前SOFAスコアが有意に高値であった。またICG蛍光法施行群で切除腸管長が有意に短かった。さらに肉眼所見で同定し得なかった壊死病変をICG蛍光法で同定できた症例を7.4%認めた。ICG蛍光法でのシグナル欠損部位では病理所見ですべてに壊死・虚血を認めた。【結語】NOMIに対するICG蛍光法は術中腸管切除範囲決定に有用であった。 |
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ISSN: | 1340-2242 1882-4781 |
DOI: | 10.11231/jaem.41.6_409 |