ヘパリン中和中のプロタミンによる血小板に対する影響

体外循環に用いるヘパリン,プロタミン量は,活性化凝固時間(ACT)を測定して追加量を決めている。Hepcon-HMS(Hepcon)は,定量的に血液中のヘパリン濃度を測定することができる機器で,必要なヘパリン,プロタミン量を算出できる。今回,成人開心術を対象に,ACTが480秒となるようにヘパリンを体外循環中に追加し,体外循環終了後に3mg/kgのプロタミンを投与したA群(n=14)と,Hepconによりヘパリン濃度をモニタしながらヘパリン,プロタミン投与量を調節したH群(n=20)の血小板凝集能の推移を調べ,ヘパリン中和中のプロタミンの影響について検討した。年齢,体重,体外循環時間,ACT,...

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Published in体外循環技術 Vol. 29; no. 1; pp. 22 - 24
Main Authors 大塚, 雅昭, 中山, 凱夫, 古垣, 達也, 榊原, 謙, 高橋, 宏, 重田, 治, 斎藤, 重行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本体外循環技術医学会 2002
日本体外循環技術研究会
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ISSN0912-2664
1884-5452
DOI10.7130/hokkaidoshakai.29.22

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Summary:体外循環に用いるヘパリン,プロタミン量は,活性化凝固時間(ACT)を測定して追加量を決めている。Hepcon-HMS(Hepcon)は,定量的に血液中のヘパリン濃度を測定することができる機器で,必要なヘパリン,プロタミン量を算出できる。今回,成人開心術を対象に,ACTが480秒となるようにヘパリンを体外循環中に追加し,体外循環終了後に3mg/kgのプロタミンを投与したA群(n=14)と,Hepconによりヘパリン濃度をモニタしながらヘパリン,プロタミン投与量を調節したH群(n=20)の血小板凝集能の推移を調べ,ヘパリン中和中のプロタミンの影響について検討した。年齢,体重,体外循環時間,ACT,血小板数は両群に有意差はなく,術後出血量でA群が多い傾向にあった。H群で総ヘパリン投与量が多く,プロタミン投与量が少なかった。プロタミン投与後の血小板凝集能はH群では速やかに回復したが,A群では抑制された。ACTはヘパリン濃度を反映しなかった。また,プロタミンの余剰投与は血小板凝集能を抑制することが示唆された。
ISSN:0912-2664
1884-5452
DOI:10.7130/hokkaidoshakai.29.22