孤立性腎転移をきたした上行結腸内分泌細胞癌の1例
今回われわれは,上行結腸内分泌細胞癌の根治切除術後に異時性の孤立性腎転移をきたした1例を経験したので報告する.症例は81歳の女性で,79歳時に上行結腸癌に対して開腹下右半結腸切除および十二指腸部分切除が施行され,病理所見はpor1,pT4b(SI:十二指腸),ly1,v1,pN0,fStage II cで,剥離断端は陰性であった.再発高リスク群と考え,術後補助化学療法としてcapecitabine内服(2投1休,3,000mg/day)を施行しながら外来で経過観察していたが,術後3カ月より腹部CTで右腎下極に15mm大の低吸収腫瘤を指摘された.術後16カ月の腹部CTで腫瘤径が20mm大に増大を...
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 84; no. 3; pp. 432 - 438 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
2023
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
DOI | 10.3919/jjsa.84.432 |
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Summary: | 今回われわれは,上行結腸内分泌細胞癌の根治切除術後に異時性の孤立性腎転移をきたした1例を経験したので報告する.症例は81歳の女性で,79歳時に上行結腸癌に対して開腹下右半結腸切除および十二指腸部分切除が施行され,病理所見はpor1,pT4b(SI:十二指腸),ly1,v1,pN0,fStage II cで,剥離断端は陰性であった.再発高リスク群と考え,術後補助化学療法としてcapecitabine内服(2投1休,3,000mg/day)を施行しながら外来で経過観察していたが,術後3カ月より腹部CTで右腎下極に15mm大の低吸収腫瘤を指摘された.術後16カ月の腹部CTで腫瘤径が20mm大に増大を示したが,他に再発所見を認めなかったため右腎摘出術を施行した.病理所見で腎腫瘤は上行結腸癌と類似した組織像で,免疫染色を追加し再検討した結果,最終的に上行結腸内分泌細胞癌の腎転移と診断した. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.84.432 |