ハイブリッド弓部大動脈ステントグラフト留置術―Total debranching vs partial debranching の比較
要旨:【目的】弓部大動脈瘤のハイブリッド治療としてtotal debranching とpartial debranching を施行してきた.自験例を基に両術式の特徴を明らかにする.【方法】2008 年5 月から2013 年4 月末までに施行した弓部大動脈瘤ハイブリッド治療77 例を対象とした.このうちtotal debranching を24 例(T 群), partial debranching を53 例(P 群)に行った.T 群の9 例(38%)とP 群の13 例(25%)は二期的に胸部ステントグラフト留置術(TEVAR)を施行した.中枢ネックの長さはT 群で39±17 mm,P 群...
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Published in | 日本血管外科学会雑誌 Vol. 23; no. 3; pp. 695 - 699 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本血管外科学会
2014
日本血管外科学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0918-6778 1881-767X |
DOI | 10.11401/jsvs.13-00077 |
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Summary: | 要旨:【目的】弓部大動脈瘤のハイブリッド治療としてtotal debranching とpartial debranching を施行してきた.自験例を基に両術式の特徴を明らかにする.【方法】2008 年5 月から2013 年4 月末までに施行した弓部大動脈瘤ハイブリッド治療77 例を対象とした.このうちtotal debranching を24 例(T 群), partial debranching を53 例(P 群)に行った.T 群の9 例(38%)とP 群の13 例(25%)は二期的に胸部ステントグラフト留置術(TEVAR)を施行した.中枢ネックの長さはT 群で39±17 mm,P 群で29±9 mm と有意差を認めた(p<0.05).【結果】早期死亡をT 群1 例(4%),P 群1 例(2%)に認めた.術後呼吸不全の発症はT 群6 例(25%),P 群2 例(4%)と有意差を認めた(p<0.01).二期的手術例を除いたT 群とP 群の入院期間はそれぞれ33±29 日と16±10 日で有意差を認めた(p<0.001).術直後のエンドリークはT 群が3 例(13%)でP 群が18例(34%)であった.P 群の3 例は再TEVAR を行ったがT 群で再手術症例はなかった.2 年生存率はT 群が69±10 %,P 群が84±6 % で,event-free 生存率はT 群が2 年生存率59±11 %,P 群が73±8%であった.【結論】Total debranching は中枢neck の長さを十分にとれるためエンドリーク予防の点ではpartial debranching より有利であったが,手術侵襲の点でpartial debranching より劣った. |
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ISSN: | 0918-6778 1881-767X |
DOI: | 10.11401/jsvs.13-00077 |