肺塞栓症を契機に発見された膝窩静脈性血管瘤の2例
膝窩静脈性血管瘤は比較的稀な疾患であり,肺塞栓症の原因となることがある.抗凝固療法単独では肺塞栓症の再発を予防できない場合があり,外科手術の適応となる.症例1: 76歳,男性.動悸,呼吸困難を主訴に当院へ救急搬送され,造影CT検査で両側肺塞栓症と左外腸骨静脈の血栓を認めた.同時に径30 mmの右膝窩静脈性血管瘤を認めた.入院後,抗凝固療法による治療を行い,肺塞栓症は改善した.退院後,あらためて右膝窩静脈性血管瘤に対して,縫縮術を施行した.症例2: 77歳,女性.動悸,呼吸困難を主訴に当院へ救急搬送され,造影CT検査で両側肺塞栓症を認めた.同時に径35 mmの左膝窩静脈性血管瘤と瘤内の血栓を認め...
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Published in | 日本血管外科学会雑誌 Vol. 33; no. 1; pp. 47 - 51 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本血管外科学会
17.02.2024
日本血管外科学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0918-6778 1881-767X |
DOI | 10.11401/jsvs.23-00076 |
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Summary: | 膝窩静脈性血管瘤は比較的稀な疾患であり,肺塞栓症の原因となることがある.抗凝固療法単独では肺塞栓症の再発を予防できない場合があり,外科手術の適応となる.症例1: 76歳,男性.動悸,呼吸困難を主訴に当院へ救急搬送され,造影CT検査で両側肺塞栓症と左外腸骨静脈の血栓を認めた.同時に径30 mmの右膝窩静脈性血管瘤を認めた.入院後,抗凝固療法による治療を行い,肺塞栓症は改善した.退院後,あらためて右膝窩静脈性血管瘤に対して,縫縮術を施行した.症例2: 77歳,女性.動悸,呼吸困難を主訴に当院へ救急搬送され,造影CT検査で両側肺塞栓症を認めた.同時に径35 mmの左膝窩静脈性血管瘤と瘤内の血栓を認めた.入院後,抗凝固療法による治療を行い,肺塞栓症は改善した.退院後,あらためて左膝窩静脈性血管瘤に対して,縫縮術を施行した.2例とも現在まで肺塞栓症の再発は認めていない. |
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ISSN: | 0918-6778 1881-767X |
DOI: | 10.11401/jsvs.23-00076 |