下肢静脈瘤に対する治療手技の変遷—ストリッピング手術から血管内焼灼術へ

無床診療所における下肢静脈瘤に対する術式の変遷と成績を検討した.対象は2010年5月以降の7年間に,日帰り手術を行った一次性下肢静脈瘤の5004例.基本術式は不全伏在静脈のストリッピング手術もしくは血管内焼灼術(EVTA)で,Stab avulsion法による瘤切除を付加した.術後合併症がストリッピング手術後の5.7%に,EVTA後の2.8%にみられた.肺塞栓症や中枢型DVT, Class3以上のEHITなどの重篤な合併症は認めなかった.EVTAの割合を年次別にみると,2012年までは0%,2013年は12%,2014年は55%,2015年は82%,2016年は95%,2017年は97%と推移...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in静脈学 Vol. 28; no. 3; pp. 317 - 321
Main Authors 信岡, 博済, 宇藤, 純一, 塚本, 芳春
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本静脈学会 08.09.2017
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0915-7395
2186-5523
DOI10.7134/phlebol.17-11

Cover

More Information
Summary:無床診療所における下肢静脈瘤に対する術式の変遷と成績を検討した.対象は2010年5月以降の7年間に,日帰り手術を行った一次性下肢静脈瘤の5004例.基本術式は不全伏在静脈のストリッピング手術もしくは血管内焼灼術(EVTA)で,Stab avulsion法による瘤切除を付加した.術後合併症がストリッピング手術後の5.7%に,EVTA後の2.8%にみられた.肺塞栓症や中枢型DVT, Class3以上のEHITなどの重篤な合併症は認めなかった.EVTAの割合を年次別にみると,2012年までは0%,2013年は12%,2014年は55%,2015年は82%,2016年は95%,2017年は97%と推移した.術後遠隔期にストリッピング手術後の6例(0.2%)に再発を認め処置を要したが,EVTAの術後に再手術を必要とした症例はなかった.ストリッピング手術でもEVTAでも,早期および中期遠隔成績は安定しており,今後さらに低侵襲な日帰り治療へと向かうことが予想される.
ISSN:0915-7395
2186-5523
DOI:10.7134/phlebol.17-11