産褥期卵巣静脈血栓症を発症した2症例

双胎妊娠で,帝王切開分娩後の産褥期卵巣静脈血栓症の2例を経験したので報告する.症例1は40歳の2妊1産.妊娠36週に帝王切開にて1卵性双胎を分娩した.分娩後6日に創痛,発熱,炎症反応の増悪が出現し創感染が疑われ,抗生剤の投与と創開放術を受けた.その後も炎症反応の増悪が続くためCT検査をしたところ左卵巣静脈,左腎静脈血栓症および肺塞栓と判明した.血栓溶解療法と抗凝固療法にて血栓は消失した.症例2は26歳の1妊0産.帝王切開で2卵生双胎を分娩した2日後に胸痛を訴え,肺塞栓を疑いCT検査を施行し下大静脈に伸展する右卵巣静脈血栓症と判明した.抗凝固療法を行い血栓は消失した.産褥期卵巣静脈血栓症を臨床症...

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Published in静脈学 Vol. 34; no. 1; pp. 19 - 23
Main Authors 外田, 洋孝, 阪西, 通夫, 廣岡, 茂樹, 折田, 博之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本静脈学会 31.03.2023
Subjects
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ISSN0915-7395
2186-5523
DOI10.7134/phlebol.22-25

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Summary:双胎妊娠で,帝王切開分娩後の産褥期卵巣静脈血栓症の2例を経験したので報告する.症例1は40歳の2妊1産.妊娠36週に帝王切開にて1卵性双胎を分娩した.分娩後6日に創痛,発熱,炎症反応の増悪が出現し創感染が疑われ,抗生剤の投与と創開放術を受けた.その後も炎症反応の増悪が続くためCT検査をしたところ左卵巣静脈,左腎静脈血栓症および肺塞栓と判明した.血栓溶解療法と抗凝固療法にて血栓は消失した.症例2は26歳の1妊0産.帝王切開で2卵生双胎を分娩した2日後に胸痛を訴え,肺塞栓を疑いCT検査を施行し下大静脈に伸展する右卵巣静脈血栓症と判明した.抗凝固療法を行い血栓は消失した.産褥期卵巣静脈血栓症を臨床症状から診断することは困難で,診断にはCT検査が有効であった.
ISSN:0915-7395
2186-5523
DOI:10.7134/phlebol.22-25