遷延する無気肺で発見された気管支カルチノイドの一女児例

気管支カルチノイドは原発性肺腫瘍全体の1~5%を占める稀な疾患である。さらに小児では原発性肺腫瘍も少なく、小児での本症発症は極めて稀である。今回私どもは遷延する無気肺を経過観察中、定型気管支カルチノイドと確定診断した一女児例を経験した。 症例は16歳、女児。14歳時より遷延する無気肺にて保存的に経過観察としてきた。精査のために施行した気管支ファイバースコピーおよび気管支鏡下生検により定型気管支カルチノイドと確定診断した。若年発症であったため、治療は肺癌に準じ、下葉を温存した中葉切除、S6区域切除、縦隔リンパ節郭清および気管支形成術の外科的治療を施行した。術後1年経過するが再発はみられていない。...

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Published in日本小児呼吸器疾患学会雑誌 Vol. 13; no. 1; pp. 26 - 31
Main Authors 上田, 康久, 関根, 徹, 原, 真人, 梅原, 実, 福島, 崇義, 品田, 純, 箕浦, 克則
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本小児呼吸器疾患学会 2002
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ISSN0918-3876
2185-3754
DOI10.5701/jjpp.13.26

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Summary:気管支カルチノイドは原発性肺腫瘍全体の1~5%を占める稀な疾患である。さらに小児では原発性肺腫瘍も少なく、小児での本症発症は極めて稀である。今回私どもは遷延する無気肺を経過観察中、定型気管支カルチノイドと確定診断した一女児例を経験した。 症例は16歳、女児。14歳時より遷延する無気肺にて保存的に経過観察としてきた。精査のために施行した気管支ファイバースコピーおよび気管支鏡下生検により定型気管支カルチノイドと確定診断した。若年発症であったため、治療は肺癌に準じ、下葉を温存した中葉切除、S6区域切除、縦隔リンパ節郭清および気管支形成術の外科的治療を施行した。術後1年経過するが再発はみられていない。 血痰や遷延する無気肺では本疾患も念頭に置き、鑑別診断には積極的に気管支ファイバースコピーを施行するべきであると思われた。
ISSN:0918-3876
2185-3754
DOI:10.5701/jjpp.13.26