真性腸石による腸閉塞の1例

真性腸石による腸閉塞の1例を経験したので報告する。症例は85歳,男性。腹部手術歴。下腹部痛,嘔吐を主訴に救急外来を受診した。腹部単純CTで小腸内に空洞を伴う構造物を認め,同部位より口側の腸管が拡張していた。食餌性や異物による腸閉塞を疑い,入院2日目に腹腔鏡補助下に手術を施行した。臍切開部より腸管を体外に引き出して検索を行うと,Treitz靭帯から120cmあたりの空腸に異物を認めた。腸管を切開し,結石様の異物を摘出して縫合閉鎖をした。摘出標本は黄色調,直径35×23mm(9.0g)の腸石で,成分分析では一部にデオキシコール酸を認め,最終的に真性腸石の一種である胆汁酸腸石による腸閉塞と診断した。...

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Published in日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 42; no. 4; pp. 489 - 492
Main Authors 森山, 瑞紀, 山口, 竜三, 岩田, 力, 佐藤, 文哉, 山本, 亮
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 31.05.2022
Subjects
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ISSN1340-2242
1882-4781
DOI10.11231/jaem.42.489

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Summary:真性腸石による腸閉塞の1例を経験したので報告する。症例は85歳,男性。腹部手術歴。下腹部痛,嘔吐を主訴に救急外来を受診した。腹部単純CTで小腸内に空洞を伴う構造物を認め,同部位より口側の腸管が拡張していた。食餌性や異物による腸閉塞を疑い,入院2日目に腹腔鏡補助下に手術を施行した。臍切開部より腸管を体外に引き出して検索を行うと,Treitz靭帯から120cmあたりの空腸に異物を認めた。腸管を切開し,結石様の異物を摘出して縫合閉鎖をした。摘出標本は黄色調,直径35×23mm(9.0g)の腸石で,成分分析では一部にデオキシコール酸を認め,最終的に真性腸石の一種である胆汁酸腸石による腸閉塞と診断した。
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem.42.489