直腸癌の虫垂浸潤により生じた絞扼性腸閉塞の1例

症例は72歳男性で,膀胱浸潤および小腸浸潤を伴う進行直腸癌の診断で加療予定であった。腹痛を契機に当院受診し,精査の結果絞扼性腸閉塞の診断で緊急手術となった。術中直腸癌の浸潤を受けた虫垂が絞扼帯となり小腸を巻絡している所見を認めた。虫垂を切離して腸閉塞を解除し,小腸切除および結腸人工肛門造設を施行した。その後術前化学放射線療法を施行し,二期的に直腸癌の切除を行った。直腸癌の浸潤を受けた虫垂が絞扼帯となり絞扼性腸閉塞を発症した症例は極めてまれであると考えられ,文献的考察を加えて報告する。...

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Published in日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 40; no. 5; pp. 629 - 632
Main Authors 上村, 翔, 瀬尾, 雄樹, 伊藤, 康博, 杉浦, 清昭, 岸田, 憲弘, 田中, 求, 戸倉, 英之, 田中, 優衣, 高橋, 孝行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 31.07.2020
Subjects
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ISSN1340-2242
1882-4781
DOI10.11231/jaem.40.629

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Summary:症例は72歳男性で,膀胱浸潤および小腸浸潤を伴う進行直腸癌の診断で加療予定であった。腹痛を契機に当院受診し,精査の結果絞扼性腸閉塞の診断で緊急手術となった。術中直腸癌の浸潤を受けた虫垂が絞扼帯となり小腸を巻絡している所見を認めた。虫垂を切離して腸閉塞を解除し,小腸切除および結腸人工肛門造設を施行した。その後術前化学放射線療法を施行し,二期的に直腸癌の切除を行った。直腸癌の浸潤を受けた虫垂が絞扼帯となり絞扼性腸閉塞を発症した症例は極めてまれであると考えられ,文献的考察を加えて報告する。
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem.40.629