情動ストレスが慢性化した頭頸部筋・筋膜痛患者の交感神経活動に与える影響

目的:Myofascial Pain syndrome(MPS)の発現・維持に交感神経活動が関与する.交感神経活動は情動ストレスによって亢進する.本研究はMPS患者のストレスに対する交感神経活動変化を明らかにすることを目的とする. 方法:当科で治療中のMPS患者(MPS群,n=10)と健常成人ボランティア(control群,n=10)の2群を設定した.ストレス負荷時の心電図RR間隔のスペクトル解析を行い,交感神経活動の指標であるL/Hを比較検討した.身体ストレスとして能動的起立,情動ストレスはinternational affective picture system(IAPS)による映像を用...

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Published inJapanese Journal of Orofacial Pain Vol. 8; no. 1; pp. 7 - 11
Main Authors 椎葉, 俊司, 小野, 堅太郎, 布巻, 昌仁, 原野, 望, 坂本, 和美, 吉田, 充広, 北村, 知昭, 鱒見, 進一, 左合, 徹平
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本口腔顔面痛学会 2015
Japanese Society of Orofacial Pain
Subjects
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ISSN1883-308X
1882-9333
DOI10.11264/jjop.8.7

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Summary:目的:Myofascial Pain syndrome(MPS)の発現・維持に交感神経活動が関与する.交感神経活動は情動ストレスによって亢進する.本研究はMPS患者のストレスに対する交感神経活動変化を明らかにすることを目的とする. 方法:当科で治療中のMPS患者(MPS群,n=10)と健常成人ボランティア(control群,n=10)の2群を設定した.ストレス負荷時の心電図RR間隔のスペクトル解析を行い,交感神経活動の指標であるL/Hを比較検討した.身体ストレスとして能動的起立,情動ストレスはinternational affective picture system(IAPS)による映像を用いた. 結果:安静時のL/Hは2群間に有意差を認めなかった.身体ストレスに対して2群ともL/Hは上昇したが,群間に有意差は認めなかった.情動ストレスに対してはMPS群で有意にL/Hの上昇が認められた. 結論:MPSの発症・維持に情動ストレスによる交感神経活動の亢進が関与する可能性がある.
ISSN:1883-308X
1882-9333
DOI:10.11264/jjop.8.7