総大腿動脈硬化性病変に対するEversion Endarterectomyの試み

総大腿動脈硬化性病変に対するeversion endarterectomyはパッチ形成をともなう内膜摘除に比べて,人工物を使用する必要がないこと,感染および仮性瘤形成のリスクを軽減できること,術後に血管内治療アプローチとして利用可能などの利点が得られ,有用な治療法である.今回,総大腿動脈硬化性病変を有する4症例,5肢に対してeversion endarterectomyを行った.術前の虚血症状は全4症例ともRutherford分類2であった.術後は全例に虚血症状やABIは改善し,早期閉塞を含めた合併症は認めなかった.1例1肢に術後解離を疑う所見が認められ,病変長によっては内膜固定が不十分となる...

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Published in日本血管外科学会雑誌 Vol. 28; no. 2; pp. 159 - 162
Main Authors 天本, 宗次郎, 川﨑, 裕満, 内藤, 光三, 里, 学, 七條, 正英
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本血管外科学会 16.04.2019
日本血管外科学会
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ISSN0918-6778
1881-767X
DOI10.11401/jsvs.18-00110

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Summary:総大腿動脈硬化性病変に対するeversion endarterectomyはパッチ形成をともなう内膜摘除に比べて,人工物を使用する必要がないこと,感染および仮性瘤形成のリスクを軽減できること,術後に血管内治療アプローチとして利用可能などの利点が得られ,有用な治療法である.今回,総大腿動脈硬化性病変を有する4症例,5肢に対してeversion endarterectomyを行った.術前の虚血症状は全4症例ともRutherford分類2であった.術後は全例に虚血症状やABIは改善し,早期閉塞を含めた合併症は認めなかった.1例1肢に術後解離を疑う所見が認められ,病変長によっては内膜固定が不十分となる可能性があり,術中造影やエコーで解離の有無を評価すべきであった.4症例の平均観察期間は23.8カ月であった.総大腿動脈硬化性病変に対するeversion endarterectomyの初期成績を報告する.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.18-00110