MRI vessel wall imagingにて偽陽性を呈した後大脳動脈紡錘状動脈瘤の1例

MRI vessel wall imaging(VWI)で偽陽性を呈した後大脳動脈紡錘状動脈瘤の症例を報告する.症例は55歳男性で,継続する頭痛を主訴に救急受診した.CT,MRIで中脳周囲と後頭葉に少量のくも膜下出血を認めた.造影CTでは前交通動脈瘤と後大脳動脈瘤を認めた.VWIでは後大脳動脈瘤に造影効果を認めたため,血腫分布と併せて出血源と判断した.病変部のトラッピングと,遠位部に浅側頭動脈–後大脳動脈バイパスを作成する方針で手術を行ったが,術中所見としては未破裂の広基性動脈瘤であった.動脈形成的にクリッピングを施行した.VWIの偽陽性が起こりやすい状況を理解し,マルチモダリティにおける判断...

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Published in脳卒中 Vol. 47; no. 1; pp. 31 - 36
Main Authors 横山, 大騎, 大井川, 秀聡, 吉田, 馨次朗, 望月, 賢紀, 武, 裕士郎, 鈴木, 海馬, 栗田, 浩樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中学会 2025
日本脳卒中学会
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Summary:MRI vessel wall imaging(VWI)で偽陽性を呈した後大脳動脈紡錘状動脈瘤の症例を報告する.症例は55歳男性で,継続する頭痛を主訴に救急受診した.CT,MRIで中脳周囲と後頭葉に少量のくも膜下出血を認めた.造影CTでは前交通動脈瘤と後大脳動脈瘤を認めた.VWIでは後大脳動脈瘤に造影効果を認めたため,血腫分布と併せて出血源と判断した.病変部のトラッピングと,遠位部に浅側頭動脈–後大脳動脈バイパスを作成する方針で手術を行ったが,術中所見としては未破裂の広基性動脈瘤であった.動脈形成的にクリッピングを施行した.VWIの偽陽性が起こりやすい状況を理解し,マルチモダリティにおける判断を行うことが正確な診断に重要である.
ISSN:0912-0726
1883-1923
DOI:10.3995/jstroke.11253