異所性右鎖骨下動脈とKommerell憩室を併発した食道の膜様狭窄に対し二期的に治療した1例

症例は39歳,男性.3カ月前より食後に嘔気と嘔吐を繰り返すため精査したところ,胸部造影CTで異所性右鎖骨下動脈およびKommerell憩室を認め,食道が同血管と気管支に挟まれ圧排される所見を認めた.さらに上部消化管内視鏡検査では中部食道の膜様狭窄を認めた.胸骨正中切開アプローチにてKommerell憩室の切除と右鎖骨下動脈の再建を行った.約3カ月後,残存する膜様狭窄に対し食道ブジーにより1カ月半の間隔で段階的にサイズを上げて,3回の食道狭窄部の拡張を行い通過障害は改善した....

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Published in日本血管外科学会雑誌 Vol. 33; no. 1; pp. 11 - 15
Main Authors 平間, 大介, 北方, 悠太, 腰地, 孝昭, 金光, ひでお
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本血管外科学会 25.01.2024
日本血管外科学会
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Summary:症例は39歳,男性.3カ月前より食後に嘔気と嘔吐を繰り返すため精査したところ,胸部造影CTで異所性右鎖骨下動脈およびKommerell憩室を認め,食道が同血管と気管支に挟まれ圧排される所見を認めた.さらに上部消化管内視鏡検査では中部食道の膜様狭窄を認めた.胸骨正中切開アプローチにてKommerell憩室の切除と右鎖骨下動脈の再建を行った.約3カ月後,残存する膜様狭窄に対し食道ブジーにより1カ月半の間隔で段階的にサイズを上げて,3回の食道狭窄部の拡張を行い通過障害は改善した.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.23-00019