虫垂重積を先進部とした成人Waugh’s Syndromeの1例

症例は41歳,女性。間歇的心窩部痛,嘔気・嘔吐,下痢を主訴に来院した。症状は軽く急性胃腸炎疑いで帰宅となったが,翌日に血便がみられ再受診した。CTで腸重積の診断となり,緊急手術を施行した。盲腸が先進部で下行結腸まで重積していたが血流障害はなく解除は容易だった。盲腸,上行結腸は後腹膜に固定されていなかった。虫垂根部に腫瘤性病変を触知したため回盲部切除術を施行し,虫垂重積が判明した。腸回転異常と腸重積の合併はWaugh’s syndromeと名付けられている。成人での報告はまれであり,文献的考察を加えて報告する。...

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Published in日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 42; no. 4; pp. 517 - 520
Main Authors 石毛, 孔明, 森嶋, 友一, 土岐, 朋子, 福冨, 聡, 小倉, 皓一郎, 里見, 大介
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 31.05.2022
Subjects
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ISSN1340-2242
1882-4781
DOI10.11231/jaem.42.517

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Summary:症例は41歳,女性。間歇的心窩部痛,嘔気・嘔吐,下痢を主訴に来院した。症状は軽く急性胃腸炎疑いで帰宅となったが,翌日に血便がみられ再受診した。CTで腸重積の診断となり,緊急手術を施行した。盲腸が先進部で下行結腸まで重積していたが血流障害はなく解除は容易だった。盲腸,上行結腸は後腹膜に固定されていなかった。虫垂根部に腫瘤性病変を触知したため回盲部切除術を施行し,虫垂重積が判明した。腸回転異常と腸重積の合併はWaugh’s syndromeと名付けられている。成人での報告はまれであり,文献的考察を加えて報告する。
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem.42.517