ペプロマイシン投与後に間質性肺炎のため死亡した舌癌の2例

ペプロマイシン (PEP) に起因すると疑われた間質性肺炎のため死亡した舌癌の2例を経験したので報告する。症例1は58歳男性で, 頬粘膜癌のため7年前にPEP40mgの投与, 放射線治療, レーザー手術を受けた既往がある。舌癌の診断のもと, PEPを25mg投与した後, 根治手術を行った。しかし術直後より間質性肺炎を発症し, 48日目に死亡した。症例2は71歳女性の舌癌患者で, 舌部分切除を施行したが, 13か月後に頸部後発転移を生じた。CDDP+5FU+PEPによる術前化学療法後に頸部郭清を予定したが, 間質性肺炎を生じ, 化学療法終了17日後に死亡した。年齢がそれほど高齢でなく, PEPの...

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Published in日本口腔腫瘍学会誌 Vol. 19; no. 3; pp. 177 - 181
Main Authors 梅田, 正博, 尾島, 泰公, 小松原, 秀紀, 重田, 崇至, 南川, 勉, 澁谷, 恭之, 横尾, 聡, 福田, 全孝, 西松, 成器, 古森, 孝英
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本口腔腫瘍学会 2007
日本口腔腫瘍学会
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Summary:ペプロマイシン (PEP) に起因すると疑われた間質性肺炎のため死亡した舌癌の2例を経験したので報告する。症例1は58歳男性で, 頬粘膜癌のため7年前にPEP40mgの投与, 放射線治療, レーザー手術を受けた既往がある。舌癌の診断のもと, PEPを25mg投与した後, 根治手術を行った。しかし術直後より間質性肺炎を発症し, 48日目に死亡した。症例2は71歳女性の舌癌患者で, 舌部分切除を施行したが, 13か月後に頸部後発転移を生じた。CDDP+5FU+PEPによる術前化学療法後に頸部郭清を予定したが, 間質性肺炎を生じ, 化学療法終了17日後に死亡した。年齢がそれほど高齢でなく, PEPの投与量が多くなくても, 間質性肺炎の発症には十分な注意が必要と思われた。
ISSN:0915-5988
1884-4995
DOI:10.5843/jsot.19.177