バルーン血管形成術後に再狭窄を来した膝窩動脈外膜囊腫に対する1 手術例

要旨:症例は55 歳の女性.左下肢の間歇性跛行を主訴に他院を受診し,精査の結果,左膝窩動脈外膜囊腫と診断された.バルーン血管形成術が施行されたが,術後1 カ月で再び間歇性跛行が出現し,次第に増悪したため当科紹介入院となった.入院時の左下肢ankle brachial pressure index(ABI)は0.59 で,造影CT 検査の結果左膝窩動脈外膜囊腫に対するバルーン血管形成術後の膝窩動脈再狭窄の診断で手術を施行した.手術は後方到達法で囊腫含めて膝窩動脈を切除し,自家静脈にて置換した.術後ABI は1.04 に改善を認め,間歇性跛行も消失した.術後2 年経過した現在も症状の再発なく経過良...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本血管外科学会雑誌 Vol. 22; no. 7; pp. 1005 - 1008
Main Authors 山下, 昭雄, 関, 功二, 芳村, 直樹, 武内, 克憲
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本血管外科学会 2013
日本血管外科学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0918-6778
1881-767X
DOI10.11401/jsvs.13-00041

Cover

More Information
Summary:要旨:症例は55 歳の女性.左下肢の間歇性跛行を主訴に他院を受診し,精査の結果,左膝窩動脈外膜囊腫と診断された.バルーン血管形成術が施行されたが,術後1 カ月で再び間歇性跛行が出現し,次第に増悪したため当科紹介入院となった.入院時の左下肢ankle brachial pressure index(ABI)は0.59 で,造影CT 検査の結果左膝窩動脈外膜囊腫に対するバルーン血管形成術後の膝窩動脈再狭窄の診断で手術を施行した.手術は後方到達法で囊腫含めて膝窩動脈を切除し,自家静脈にて置換した.術後ABI は1.04 に改善を認め,間歇性跛行も消失した.術後2 年経過した現在も症状の再発なく経過良好である.膝窩動脈外膜囊腫の特性やその解剖学的条件から膝窩動脈外膜囊腫に対するバルーン血管形成術の治療成績は不良であるため, 膝窩動脈外膜囊腫に対する治療は,外科的手術が第一選択であると考える.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.13-00041