口腔カンジダ症患者の臨床的検討

超高齢社会である本邦において,口腔カンジダ症患者の増加が予測される。今回,口腔カンジダ症患者の特徴を把握することを目的に,2019年4月から2020年3月までに東京歯科大学市川総合病院歯科・口腔外科を受診した口腔カンジダ症患者168名の臨床統計的検討を行った。対象患者の平均年齢は71.1歳で,女性が全体の69.6%を占めた。リスク因子として口腔乾燥,義歯使用など局所的リスク因子を有する症例が多かった。病型は紅斑性が50.0%で最も多く,次いで偽膜性が42.3%を占めた。検出菌は88.3%がC.albicans単独であった。治療効果は23.8%が抗真菌薬の投与が無効であり,17.8%に再発を認め...

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Published in日本口腔内科学会雑誌 Vol. 27; no. 2; pp. 59 - 65
Main Authors 野村, 武史, 松浦, 信幸, 森田, 奈那, 本田, 健太郎, 鶴見, 惇, 秀島, 能, 松本, 祐介, 酒井, 克彦, 小松, 万純, 三邉, 正樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本口腔内科学会 2021
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ISSN2186-6147
2186-6155
DOI10.6014/jjsom.27.59

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Summary:超高齢社会である本邦において,口腔カンジダ症患者の増加が予測される。今回,口腔カンジダ症患者の特徴を把握することを目的に,2019年4月から2020年3月までに東京歯科大学市川総合病院歯科・口腔外科を受診した口腔カンジダ症患者168名の臨床統計的検討を行った。対象患者の平均年齢は71.1歳で,女性が全体の69.6%を占めた。リスク因子として口腔乾燥,義歯使用など局所的リスク因子を有する症例が多かった。病型は紅斑性が50.0%で最も多く,次いで偽膜性が42.3%を占めた。検出菌は88.3%がC.albicans単独であった。治療効果は23.8%が抗真菌薬の投与が無効であり,17.8%に再発を認めた。口腔カンジダ症は一般的に予後良好であるが,難治例も存在した。詳細な特徴の把握のため,より多施設での調査が必要である。
ISSN:2186-6147
2186-6155
DOI:10.6014/jjsom.27.59