超音波を含む音環境がストレスへ及ぼす影響度評価
「1. はじめに」近年, ストレスを緩和させる「癒し」に関する研究が様々な分野で行われている. 普段, あまり意識しない「空気」においても, 色・音・味・香り・温度など五官を通じて心地よさを提供する空間創りが望まれている. 特に聴覚は, 人の快適感を左右する重要な感覚であり, 可聴音のみならず可聴域を越える高周波数成分(超音波)を含んだ音環境創りが話題となっている. たとえば民俗楽器が発する超音波領域の音が, 共存する可聴音をより快適に感受させ, α波を増大させ, 視床や脳幹部の血流量を増大させたという報告がある[注1]. こうした研究報告は, 次世代オーディオ分野の規格策定にも影響し, 20...
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Published in | 感性工学研究論文集 Vol. 4; no. 2; pp. 33 - 40 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本感性工学会
2004
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ISSN | 1346-1958 1884-524X |
DOI | 10.5057/jjske2001.4.2_33 |
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Summary: | 「1. はじめに」近年, ストレスを緩和させる「癒し」に関する研究が様々な分野で行われている. 普段, あまり意識しない「空気」においても, 色・音・味・香り・温度など五官を通じて心地よさを提供する空間創りが望まれている. 特に聴覚は, 人の快適感を左右する重要な感覚であり, 可聴音のみならず可聴域を越える高周波数成分(超音波)を含んだ音環境創りが話題となっている. たとえば民俗楽器が発する超音波領域の音が, 共存する可聴音をより快適に感受させ, α波を増大させ, 視床や脳幹部の血流量を増大させたという報告がある[注1]. こうした研究報告は, 次世代オーディオ分野の規格策定にも影響し, 20kHz以上の高周波数成分の必要性が認知されつつある. 一方, 超音波成分は, 波の音, 風や木々の音など自然環境音にも多く含まれており, 沿岸域の波の音に含まれる超音波が聴覚誘導電位に与える影響を調べた研究もあり[注2], 可聴域に近い超音波が自律神経系活動に影響を及ぼすとする研究報告もある[注3]. |
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ISSN: | 1346-1958 1884-524X |
DOI: | 10.5057/jjske2001.4.2_33 |