大分県外科勤務医の「働き方改革とその方策」に対する意識調査

近年,医療分野にも「働き方改革」が導入されつつある.しかし,地域の外科医療の現場には,その機運が十分に反映されていないとされる.よって,大分県地域の外科勤務医の「働き方改革」やその方策に対する意識を明らかにするために,アンケート調査を行った.質問項目は,①現在の勤務状況,②タスクシフトやタスクシェア,③救急・緩和医療へのかかわり,に関する31項目からなる.有効回答者数は,174名(回答率:66%)であった.その結果,超過勤務が80時間以上/月の外科医は28%であった.最も苦労している勤務内容は事務的仕事であり(21%),超過勤務の長い外科医や夜間救急を担当する外科医ほど(共にp<0.05),タ...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 82; no. 2; pp. 313 - 319
Main Authors 川﨑, 貴秀, 上尾, 裕昭, 猪股, 雅史, 白石, 憲男, 上田, 貴威
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2021
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.82.313

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Summary:近年,医療分野にも「働き方改革」が導入されつつある.しかし,地域の外科医療の現場には,その機運が十分に反映されていないとされる.よって,大分県地域の外科勤務医の「働き方改革」やその方策に対する意識を明らかにするために,アンケート調査を行った.質問項目は,①現在の勤務状況,②タスクシフトやタスクシェア,③救急・緩和医療へのかかわり,に関する31項目からなる.有効回答者数は,174名(回答率:66%)であった.その結果,超過勤務が80時間以上/月の外科医は28%であった.最も苦労している勤務内容は事務的仕事であり(21%),超過勤務の長い外科医や夜間救急を担当する外科医ほど(共にp<0.05),タスクシフトに繋がる制度の必要性を感じていた.「外科医のための働き方改革」には,勤務時間の短縮のみならず,外科医が手術や診療などの外科医本来の業務に邁進できるような環境作りの方策が必須であると思われた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.82.313