遠位弓部大動脈瘤に対するオープンステントグラフト留置6年後に migrationをきたした1例

要  旨:症例は64歳男性.胸部下行大動脈瘤に対して胸部大動脈弓部血管バイパス術および下行大動脈へのステントグラフト挿入術後,6年目にステントグラフトの屈曲を指摘された.遠位弓部の大動脈瘤は直径76 mmに拡大していた.2年の経過観察の後.拡大傾向が持続するため.胸部弓部大動脈人工血管置換術を行い.大動脈瘤とともにステントグラフトを除去した.胸骨正中切開からのオープンステントグラフトは遠位弓部の大動脈瘤に対して,左拡大開胸を必要とせず,低侵襲かつ有効な手段であるが,endoleakにより遠隔期に瘤の拡大をきたし再手術が必要となる場合があり留置後の経過観察には造影CTを行い,endoleakの有...

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Published in日本血管外科学会雑誌 Vol. 22; no. 4; pp. 765 - 768
Main Authors 森元, 博信, 尾畑, 昇悟, 向井, 省吾, 山根, 吉貴, 打田, 裕明, 平岡, 俊文
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本血管外科学会 25.06.2013
日本血管外科学会
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ISSN0918-6778
1881-767X
DOI10.11401/jsvs.12-00085

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Summary:要  旨:症例は64歳男性.胸部下行大動脈瘤に対して胸部大動脈弓部血管バイパス術および下行大動脈へのステントグラフト挿入術後,6年目にステントグラフトの屈曲を指摘された.遠位弓部の大動脈瘤は直径76 mmに拡大していた.2年の経過観察の後.拡大傾向が持続するため.胸部弓部大動脈人工血管置換術を行い.大動脈瘤とともにステントグラフトを除去した.胸骨正中切開からのオープンステントグラフトは遠位弓部の大動脈瘤に対して,左拡大開胸を必要とせず,低侵襲かつ有効な手段であるが,endoleakにより遠隔期に瘤の拡大をきたし再手術が必要となる場合があり留置後の経過観察には造影CTを行い,endoleakの有無を確実に追跡する必要があると考えられた.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.12-00085