完全型遺残坐骨動脈を合併した腹部大動脈瘤に対して開腹人工血管置換術および下肢バイパス術を施行した1例

遺残坐骨動脈は,胎生期に下肢を灌流していた坐骨動脈が遺残する稀な先天血管異常であり,腹部大動脈瘤との合併は極めて稀である.症例は65歳男性で,前医にて腹部大動脈瘤を指摘され当院受診した.造影CTにて最大短径53 mmの腹部大動脈瘤,完全型左遺残坐骨動脈を認めた.また,左外腸骨動脈および大腿動脈は低形成であった.将来的に瘤化,閉塞のおそれのある遺残坐骨動脈も治療する方針とし,手術は腹部大動脈瘤人工血管置換術,遺残坐骨動脈結紮,左大腿動脈–膝窩動脈バイパス術を施行した.術後造影CTにて左遺残坐骨動脈の完全な血栓化を確認した....

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Published in日本血管外科学会雑誌 Vol. 29; no. 3; pp. 157 - 160
Main Authors 三井, 秀也, 石神, 修大, 田内, 祐也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本血管外科学会 06.06.2020
日本血管外科学会
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ISSN0918-6778
1881-767X
DOI10.11401/jsvs.20-00019

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Summary:遺残坐骨動脈は,胎生期に下肢を灌流していた坐骨動脈が遺残する稀な先天血管異常であり,腹部大動脈瘤との合併は極めて稀である.症例は65歳男性で,前医にて腹部大動脈瘤を指摘され当院受診した.造影CTにて最大短径53 mmの腹部大動脈瘤,完全型左遺残坐骨動脈を認めた.また,左外腸骨動脈および大腿動脈は低形成であった.将来的に瘤化,閉塞のおそれのある遺残坐骨動脈も治療する方針とし,手術は腹部大動脈瘤人工血管置換術,遺残坐骨動脈結紮,左大腿動脈–膝窩動脈バイパス術を施行した.術後造影CTにて左遺残坐骨動脈の完全な血栓化を確認した.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.20-00019