篩骨洞がんの頭蓋骨,脳実質浸潤によるがん性頭痛緩和にガッセル神経節ブロックが有効であった1例

右篩骨洞がんの頭蓋骨,脳実質浸潤によるがん性頭痛の緩和治療を報告する.症例は60歳,男性.前医でモルヒネ50 mg/日持続静脈投与など施行されたが,右頭痛,右顔面痛は軽減しなかった.当院へ転院後,オキシコドンとケタミンの持続皮下投与へ変更し漸増したが,十分な疼痛緩和が得られなかった.無水エタノールによる右ガッセル神経節ブロックを施行し,顔面痛に加えて頭痛の軽減が得られた.オピオイドを減量して一時的に在宅療養が可能となった.ガッセル神経節ブロックは顔面痛だけでなく腫瘍の硬膜浸潤による頭痛に対しても有効である可能性が示唆された....

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Bibliographic Details
Published in日本ペインクリニック学会誌 Vol. 27; no. 2; pp. 155 - 158
Main Authors 堀, 正樹, 工藤, 路子, 秋山, 修宏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本ペインクリニック学会 25.06.2020
日本ペインクリニック学会
Subjects
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ISSN1340-4903
1884-1791
DOI10.11321/jjspc.19-0014

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Summary:右篩骨洞がんの頭蓋骨,脳実質浸潤によるがん性頭痛の緩和治療を報告する.症例は60歳,男性.前医でモルヒネ50 mg/日持続静脈投与など施行されたが,右頭痛,右顔面痛は軽減しなかった.当院へ転院後,オキシコドンとケタミンの持続皮下投与へ変更し漸増したが,十分な疼痛緩和が得られなかった.無水エタノールによる右ガッセル神経節ブロックを施行し,顔面痛に加えて頭痛の軽減が得られた.オピオイドを減量して一時的に在宅療養が可能となった.ガッセル神経節ブロックは顔面痛だけでなく腫瘍の硬膜浸潤による頭痛に対しても有効である可能性が示唆された.
ISSN:1340-4903
1884-1791
DOI:10.11321/jjspc.19-0014