腸骨動脈ステント留置後の感染性仮性動脈瘤に対する一手術例

閉塞性動脈硬化症に対するカテーテル治療後に発症したステント留置部感染性仮性動脈瘤に対する手術例を経験した.症例は68歳女性.両下肢の閉塞性動脈硬化症に対して右外腸骨動脈および左総腸骨動脈から外腸骨動脈にかけてステント留置を施行された.ステント留置後4カ月後に持続する左背部痛があり,背部痛自覚4日後に近医を受診.発熱と炎症反応の上昇を認め,血液培養でグラム陽性球菌が検出された.また造影CTで,左総腸骨動脈起始部から外腸骨動脈にかけて低吸収域および造影剤漏出の所見を認め当科紹介となった.感染性仮性動脈瘤の診断で緊急で腋窩–両大腿動脈バイパス術,感染瘤切除術,大網充填術を施行した.術後経過は良好であ...

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Published in日本血管外科学会雑誌 Vol. 29; no. 4; pp. 225 - 229
Main Authors 堀部, 達也, 野口, 亮, 高木, 淳, 細田, 康仁, 岡本, 健, 福井, 寿啓
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本血管外科学会 17.07.2020
日本血管外科学会
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Summary:閉塞性動脈硬化症に対するカテーテル治療後に発症したステント留置部感染性仮性動脈瘤に対する手術例を経験した.症例は68歳女性.両下肢の閉塞性動脈硬化症に対して右外腸骨動脈および左総腸骨動脈から外腸骨動脈にかけてステント留置を施行された.ステント留置後4カ月後に持続する左背部痛があり,背部痛自覚4日後に近医を受診.発熱と炎症反応の上昇を認め,血液培養でグラム陽性球菌が検出された.また造影CTで,左総腸骨動脈起始部から外腸骨動脈にかけて低吸収域および造影剤漏出の所見を認め当科紹介となった.感染性仮性動脈瘤の診断で緊急で腋窩–両大腿動脈バイパス術,感染瘤切除術,大網充填術を施行した.術後経過は良好であり,術後22日で転院となった.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.19-00039