Mesodiverticular Bandによる絞扼性腸閉塞を伴うMeckel憩室茎捻転の1例

症例は9歳男児。前日からの腹痛を主訴に当院を受診し,腹部造影CT検査で絞扼性腸閉塞を認めた。近傍にMeckel憩室を疑う盲端構造と憩室から伸びる索状物を認めmesodiverticular band(以下,MB)による絞扼性腸閉塞疑いで同日緊急手術を施行した。術中所見では,bandによる絞扼性腸閉塞とMeckel憩室茎捻転を認め,bandを切離して絞扼と捻転を解除しても,憩室とその付着部の黒色調の腸管は改善せず,小腸部分切除を施行した。術後経過は良好で,術後7日目に退院した。Meckel憩室は頻度の高い消化管奇形であり,MBによる茎捻転や腸閉塞が知られているが,両者を合併する病態はまれである。...

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Published in日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 41; no. 7; pp. 557 - 560
Main Authors 瀬尾, 雄樹, 伊藤, 康博, 大西, 義彦, 杉浦, 清昭, 西, 雄介, 岸田, 憲弘, 田中, 求, 戸倉, 英之, 高橋, 孝行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 30.11.2021
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ISSN1340-2242
1882-4781
DOI10.11231/jaem.41.7_557

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Summary:症例は9歳男児。前日からの腹痛を主訴に当院を受診し,腹部造影CT検査で絞扼性腸閉塞を認めた。近傍にMeckel憩室を疑う盲端構造と憩室から伸びる索状物を認めmesodiverticular band(以下,MB)による絞扼性腸閉塞疑いで同日緊急手術を施行した。術中所見では,bandによる絞扼性腸閉塞とMeckel憩室茎捻転を認め,bandを切離して絞扼と捻転を解除しても,憩室とその付着部の黒色調の腸管は改善せず,小腸部分切除を施行した。術後経過は良好で,術後7日目に退院した。Meckel憩室は頻度の高い消化管奇形であり,MBによる茎捻転や腸閉塞が知られているが,両者を合併する病態はまれである。卵黄動脈の遺残であるMBにMeckel憩室の血流が依存している可能性があるため,MBを伴うMeckel憩室茎捻転では憩室を含んだ腸切除を行うことで予後を向上させることができると考えられた。
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem.41.7_557