肝硬変患者に対する長期外来栄養指導の効果 糖質主体の夜食を加えた4分割食の有用性

〔目的〕外来肝硬変患者に対して糖質主体の夜食を長期間摂取する栄養指導を行ない, この有用性を検討した。〔対象〕肝硬変患者23名で, 平均年齢は73.1歳, Child分類ではA17名, B6名であった。〔方法〕管理栄養士が主となり半年間に計6回の指導を行ない, 夜食として100~200kcalの糖質主体の軽食を勧めた。指導開始時と1年後の肝機能, 栄養指標を検索した。〔結果〕19例 (82.6%) の患者に全6回の栄養指導を行なうことが可能であり, このうちの18例 (94.7%) が分割食を続ける意思を示した。肝機能指標では指導前後で有意差は認められなかった。栄養指標のうち血清アルブミン値は...

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Published in日本農村医学会雑誌 Vol. 62; no. 4; pp. 583 - 592
Main Authors 島津, 道代, 木内, 和広, 三井, 美智子, 中山, 千香美, 小松, 修, 安達, 亙
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 2013
日本農村医学会
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Summary:〔目的〕外来肝硬変患者に対して糖質主体の夜食を長期間摂取する栄養指導を行ない, この有用性を検討した。〔対象〕肝硬変患者23名で, 平均年齢は73.1歳, Child分類ではA17名, B6名であった。〔方法〕管理栄養士が主となり半年間に計6回の指導を行ない, 夜食として100~200kcalの糖質主体の軽食を勧めた。指導開始時と1年後の肝機能, 栄養指標を検索した。〔結果〕19例 (82.6%) の患者に全6回の栄養指導を行なうことが可能であり, このうちの18例 (94.7%) が分割食を続ける意思を示した。肝機能指標では指導前後で有意差は認められなかった。栄養指標のうち血清アルブミン値は, 指導後にChild Cに進行した症例を除外すると, 指導後に有意に高値であった。〔結論〕糖質主体の夜食を中心とした外来栄養指導は肝硬変患者に対して高率かつ長期間に行なうことが可能であった。本指導は肝機能の比較的保たれた症例に対して有用であることが示唆された。
ISSN:0468-2513
1349-7421
DOI:10.2185/jjrm.62.583