小児Winslow孔ヘルニアの1例

症例は6歳男児,腹痛と頻回の嘔吐を認め当院受診。初診時のCTで回腸の嵌入を伴うWinslow孔ヘルニアと診断した。当初は腹部所見が乏しく,腸管虚血の所見を認めず,経鼻胃管による減圧での改善を期待した。しかし,翌日腹部所見の増悪を認め,緊急手術を施行した。腹腔鏡下での嵌頓腸管整復を試みたが,腸管拡張による視野不良のため断念し,開腹移行した。Winslow孔に嵌入した回腸に壊死を認めず,腸切除は不要だった。Winslow孔は開大を認めず,縫合閉鎖などの操作は行わなかった。術後7日目に退院し,術後1年経過して現在まで無再発である。小児Winslow孔ヘルニアはまれな疾患であり,報告する。...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 42; no. 6; pp. 655 - 658
Main Authors 尾辻, 英彦, 吉野, 将平, 青木, 奎司朗, 渋谷, 英太郎, 鈴木, 真理香, 山口, 真和, 法水, 信治, 坂本, 英至, 田中, 祐介, 千葉, 陽永
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 30.09.2022
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1340-2242
1882-4781
DOI10.11231/jaem.42.655

Cover

More Information
Summary:症例は6歳男児,腹痛と頻回の嘔吐を認め当院受診。初診時のCTで回腸の嵌入を伴うWinslow孔ヘルニアと診断した。当初は腹部所見が乏しく,腸管虚血の所見を認めず,経鼻胃管による減圧での改善を期待した。しかし,翌日腹部所見の増悪を認め,緊急手術を施行した。腹腔鏡下での嵌頓腸管整復を試みたが,腸管拡張による視野不良のため断念し,開腹移行した。Winslow孔に嵌入した回腸に壊死を認めず,腸切除は不要だった。Winslow孔は開大を認めず,縫合閉鎖などの操作は行わなかった。術後7日目に退院し,術後1年経過して現在まで無再発である。小児Winslow孔ヘルニアはまれな疾患であり,報告する。
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem.42.655