後腹膜脂肪肉腫を疑った多発仙骨前面骨髄脂肪腫の1例
症例は72歳,女性.鼠径部粉瘤の精査の際に,腹部CTを施行したところ後腹膜,仙骨前面に腫瘤を指摘されたため,当科受診をした.腹部CTで骨盤内に66mm,48mm,10mm大の腫瘤性病変を認めた.遠隔転移を認めなかったが,多発性腫瘤であり悪性度が高いと判断し,後腹膜脂肪肉腫の疑いとして開腹腫瘤摘出術を施行した.病理診断の結果は副腎外骨髄脂肪腫であり,仙骨前面骨髄脂肪腫と診断した.術後4年7カ月現在,無再発生存中である.多発性の副腎外骨髄脂肪腫は本邦では報告例はない.今回,われわれは稀な症例を経験したので報告する....
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 83; no. 4; pp. 780 - 784 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
2022
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
DOI | 10.3919/jjsa.83.780 |
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Summary: | 症例は72歳,女性.鼠径部粉瘤の精査の際に,腹部CTを施行したところ後腹膜,仙骨前面に腫瘤を指摘されたため,当科受診をした.腹部CTで骨盤内に66mm,48mm,10mm大の腫瘤性病変を認めた.遠隔転移を認めなかったが,多発性腫瘤であり悪性度が高いと判断し,後腹膜脂肪肉腫の疑いとして開腹腫瘤摘出術を施行した.病理診断の結果は副腎外骨髄脂肪腫であり,仙骨前面骨髄脂肪腫と診断した.術後4年7カ月現在,無再発生存中である.多発性の副腎外骨髄脂肪腫は本邦では報告例はない.今回,われわれは稀な症例を経験したので報告する. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.83.780 |