片側前根単独障害による近位型頸椎症性筋萎縮症の頸椎手術治療成績予測 電気生理学検査を用いて
前根障害と診断した近位型頸椎症性筋萎縮症 (CSA) の頸椎術後成績を検討した。対象は, 対側の筋力が正常であるCSAで頸椎手術を行った25例中, 電気生理検査で前根障害と診断した10例とした。方法は, Erb点で最大上刺激し両側の三角筋, 上腕二頭筋の複合筋活動電位 (CMAP) 振幅, およびその患側/健側比と上肢中枢運動伝導時間を計測した。治療成績は術前後のMMTで, 二段階以上もしくはNまでの回復をExcellent (E), 一段階の回復をGood (G), 不変をFair (F) とした。その結果, Excellentは7例で, このうち三角筋CMAPと上腕二頭筋CMAPの振幅の平...
Saved in:
Published in | 臨床神経生理学 Vol. 40; no. 6; pp. 535 - 539 |
---|---|
Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本臨床神経生理学会
01.12.2012
|
Online Access | Get full text |
ISSN | 1345-7101 2188-031X |
DOI | 10.11422/jscn.40.535 |
Cover
Summary: | 前根障害と診断した近位型頸椎症性筋萎縮症 (CSA) の頸椎術後成績を検討した。対象は, 対側の筋力が正常であるCSAで頸椎手術を行った25例中, 電気生理検査で前根障害と診断した10例とした。方法は, Erb点で最大上刺激し両側の三角筋, 上腕二頭筋の複合筋活動電位 (CMAP) 振幅, およびその患側/健側比と上肢中枢運動伝導時間を計測した。治療成績は術前後のMMTで, 二段階以上もしくはNまでの回復をExcellent (E), 一段階の回復をGood (G), 不変をFair (F) とした。その結果, Excellentは7例で, このうち三角筋CMAPと上腕二頭筋CMAPの振幅の平均患側/健側比が30%–50%であった症例は5例, 10%–30%であった症例は2例であった。Fairは3例で全例が10%–30%であった。前根障害の近位型CSAは予後良好と報告してきたが, CMAP振幅による患側/健側比が30%未満の重度の前根障害例では成績不良例があり, 多数筋腱移行術を考慮する必要がある。 |
---|---|
ISSN: | 1345-7101 2188-031X |
DOI: | 10.11422/jscn.40.535 |