巨大右鎖骨下瘤に対して胸骨部分切開にてアプローチした1例
鎖骨下動脈瘤は末梢動脈瘤の中でも稀な疾患である.治療に関しては,その原因や発生部位によって,アプローチや治療方法が異なってくる.今回われわれは,胸郭内右鎖骨下動脈瘤に対して胸骨上方部分切開にて,良好な視野が得られ手術施行できたので報告する.症例は73歳男性.当科外来で術後経過観察中,以前から認めていた右鎖骨下動脈瘤が1年で20 mmの増大あり,手術目的に入院となった.胸骨第二肋間で逆L字切開し,皮膚切開線を鎖骨上窩まで延長した.腕頭動脈と右鎖骨下動脈末梢側をePTFEグラフトでバイパスし,瘤は空置した.術後造影CTで,瘤内への血流認めず,バイパスの血流も良好であった.胸郭内右鎖骨下動脈瘤に対し...
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Published in | 日本血管外科学会雑誌 Vol. 31; no. 5; pp. 333 - 336 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本血管外科学会
26.10.2022
日本血管外科学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0918-6778 1881-767X |
DOI | 10.11401/jsvs.22-00061 |
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Summary: | 鎖骨下動脈瘤は末梢動脈瘤の中でも稀な疾患である.治療に関しては,その原因や発生部位によって,アプローチや治療方法が異なってくる.今回われわれは,胸郭内右鎖骨下動脈瘤に対して胸骨上方部分切開にて,良好な視野が得られ手術施行できたので報告する.症例は73歳男性.当科外来で術後経過観察中,以前から認めていた右鎖骨下動脈瘤が1年で20 mmの増大あり,手術目的に入院となった.胸骨第二肋間で逆L字切開し,皮膚切開線を鎖骨上窩まで延長した.腕頭動脈と右鎖骨下動脈末梢側をePTFEグラフトでバイパスし,瘤は空置した.術後造影CTで,瘤内への血流認めず,バイパスの血流も良好であった.胸郭内右鎖骨下動脈瘤に対して胸骨上方部分切開によるアプローチは,良好な視野が得られ,低侵襲であるため有用な治療手段の1つであると考える. |
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ISSN: | 0918-6778 1881-767X |
DOI: | 10.11401/jsvs.22-00061 |