一次脳卒中センターにおける複合疾患を有する脳卒中患者に対するリハビリテーションの現状

【背景および目的】併存疾患がある脳卒中患者に対する複種類のリハビリテーション(複合リハ)の実施,転院状況は不明である.【方法】一次脳卒中センター(PSC)に,施設情報,リハ体制,複合リハ,転院状況についてアンケート調査を実施した.【結果】414施設が解析対象となった.リハ体制では言語聴覚士が最も少なく,専従・専任看護師はほぼいなかった.また脳卒中リハ(脳卒中看護)認定看護師を含め,専門資格をもつ看護師も少なかった.リハでは認知症リハの対応ができていなかった.また診療報酬にかかわらず実施できるリハは,脳血管疾患リハ以外に1種類である施設が多かった.複合リハ必要例では,大学病院で転院までに時間がか...

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Published in脳卒中 Vol. 47; no. 1; pp. 7 - 16
Main Authors 竹川, 英宏, 宮脇, 郁子, 福本, 義弘, 益子, 貴史, 角田, 亘, 牧田, 茂, 藤本, 茂
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中学会 2025
日本脳卒中学会
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Summary:【背景および目的】併存疾患がある脳卒中患者に対する複種類のリハビリテーション(複合リハ)の実施,転院状況は不明である.【方法】一次脳卒中センター(PSC)に,施設情報,リハ体制,複合リハ,転院状況についてアンケート調査を実施した.【結果】414施設が解析対象となった.リハ体制では言語聴覚士が最も少なく,専従・専任看護師はほぼいなかった.また脳卒中リハ(脳卒中看護)認定看護師を含め,専門資格をもつ看護師も少なかった.リハでは認知症リハの対応ができていなかった.また診療報酬にかかわらず実施できるリハは,脳血管疾患リハ以外に1種類である施設が多かった.複合リハ必要例では,大学病院で転院までに時間がかかる施設が多かった.【結論】本邦のPSCの多くは複合リハが十分に実施されていない可能性がある.複合リハの実施には,言語聴覚士,専門看護師の増員,認知症への対応,診療報酬の見直しなどが必要と考えられる.
ISSN:0912-0726
1883-1923
DOI:10.3995/jstroke.11251