伏在静脈ラジオ波焼灼術5年後の臨床成績
伏在静脈血管内焼灼術の早期成績が優れているという報告は多くみられるが,長期成績はほとんど示されていない.そこで当施設のラジオ波焼灼術(RFA)の5年後の臨床成績を調査した.2017年にRFAを施行した連続275例,350肢,354本(GSV: 290本,SSV 64本)に対し,通常の術後6カ月までの経過観察外来での所見に加え,その後の来院所見,5年後の電話調査にて5年後までの再手術の有無について問診したところ,再手術率は10.7%(GSV; 大伏在静脈: 9.7%,SSV; 小伏在静脈: 15.6%)であった.再手術の原因の逆流箇所は,GSV治療後では不全穿通枝(IPV),深部静脈接合部関連と...
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Published in | 静脈学 Vol. 35; no. 3; pp. 403 - 408 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本静脈学会
20.10.2024
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Subjects | |
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ISSN | 0915-7395 2186-5523 |
DOI | 10.7134/phlebol.24-02 |
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Summary: | 伏在静脈血管内焼灼術の早期成績が優れているという報告は多くみられるが,長期成績はほとんど示されていない.そこで当施設のラジオ波焼灼術(RFA)の5年後の臨床成績を調査した.2017年にRFAを施行した連続275例,350肢,354本(GSV: 290本,SSV 64本)に対し,通常の術後6カ月までの経過観察外来での所見に加え,その後の来院所見,5年後の電話調査にて5年後までの再手術の有無について問診したところ,再手術率は10.7%(GSV; 大伏在静脈: 9.7%,SSV; 小伏在静脈: 15.6%)であった.再手術の原因の逆流箇所は,GSV治療後では不全穿通枝(IPV),深部静脈接合部関連と遺残下腿GSVが,SSV治療後ではIPVと単独側枝瘤が多かった.全症例のうち171例,221肢,225本(64%,GSV: 182,SSV: 43)には5年後の下肢静脈エコーを行った.治療した伏在静脈の閉塞率はGSVでは98.9%,SSVでは95.3%であった.当院の6カ月までの経過観察で術後再発の大部分が把握可能で,神経障害は6.2%にみられ,4割強で完全に回復することが判明,GSV焼灼後5年では約8割で副伏在静脈は遺残していた. |
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ISSN: | 0915-7395 2186-5523 |
DOI: | 10.7134/phlebol.24-02 |