思春期, 青年期における多次元摂食障害傾向尺度の検討
本研究では, 摂食障害のリスクのある者に対する, 早期のアプローチに役立てるため, 多次元からなる尺度を作成し, その信頼性と妥当性を検討した. 調査対象者は, 男女の高校生と大学生798名 (16.5±1.6歳) であった. そのうち119名へは, 4週間の間隔をあけて, 本尺度を再度実施した. 調査に用いた質問紙は, 新たに作成した多次元摂食障害傾向尺度, 食行動問題を見るためのEAT-26+EDI, ローゼンバーグの自尊感情尺度であった. 因子分析の結果, 25項目4因子からなる多次元摂食障害傾向尺度を作成した. クロンバックのα係数について, 「体型や摂食へのとらわれ」「自己に対する不...
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Published in | 日本家政学会誌 Vol. 73; no. 2; pp. 100 - 108 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本家政学会
2022
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0913-5227 1882-0352 |
DOI | 10.11428/jhej.73.100 |
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Summary: | 本研究では, 摂食障害のリスクのある者に対する, 早期のアプローチに役立てるため, 多次元からなる尺度を作成し, その信頼性と妥当性を検討した. 調査対象者は, 男女の高校生と大学生798名 (16.5±1.6歳) であった. そのうち119名へは, 4週間の間隔をあけて, 本尺度を再度実施した. 調査に用いた質問紙は, 新たに作成した多次元摂食障害傾向尺度, 食行動問題を見るためのEAT-26+EDI, ローゼンバーグの自尊感情尺度であった. 因子分析の結果, 25項目4因子からなる多次元摂食障害傾向尺度を作成した. クロンバックのα係数について, 「体型や摂食へのとらわれ」「自己に対する不満足感」「高エネルギー食の制限」「他者への気遣い」と命名された下位尺度はα=.891~.721であった. また再テスト法による安定性は25項目合計がr=.818 (p<.001), 下位尺度はr=.853~.620 (p<.001) であった. 一方, 2つの関連尺度との相関関係をみた結果, EAT-26+EDIではr=.544 (p<.001), 自尊感情尺度ではr=-.531 (p<.001) であった. 本尺度は内的整合性と安定性の双方から十分な信頼性を, また構成概念妥当性も備えていることを確認した. |
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ISSN: | 0913-5227 1882-0352 |
DOI: | 10.11428/jhej.73.100 |