反転した外側副伏在静脈をinflowとして使用したin situ saphenous vein graftによる下肢血行再建術の一例

症例は85歳,女性.約6年前に高度石灰化を伴う両側総腸骨動脈高度狭窄に対して右腋窩–両側大腿動脈バイパス術を施行したが,約2年後に人工血管閉塞を認め,左総腸骨動脈血管内治療+左大腿–右大腿動脈交叉バイパス術(F–F bypass)を行った.両側浅大腿動脈閉塞に対して左大腿–膝窩動脈バイパス術(膝上)を行い,術後16カ月経過し,右下肢安静時痛増悪で右下肢血行再建を行った.inflowをF–F bypass人工血管から確保する必要があり,良好な径の外側副伏在静脈(LASV)を認め,LASVを反転させF–F bypass人工血管と吻合し,in situ saphenous vein graft(IS...

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Published in日本血管外科学会雑誌 Vol. 31; no. 3; pp. 113 - 116
Main Authors 古川, 博史, 上部, 一彦, 増田, 憲保
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本血管外科学会 20.05.2022
日本血管外科学会
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ISSN0918-6778
1881-767X
DOI10.11401/jsvs.22-00028

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Summary:症例は85歳,女性.約6年前に高度石灰化を伴う両側総腸骨動脈高度狭窄に対して右腋窩–両側大腿動脈バイパス術を施行したが,約2年後に人工血管閉塞を認め,左総腸骨動脈血管内治療+左大腿–右大腿動脈交叉バイパス術(F–F bypass)を行った.両側浅大腿動脈閉塞に対して左大腿–膝窩動脈バイパス術(膝上)を行い,術後16カ月経過し,右下肢安静時痛増悪で右下肢血行再建を行った.inflowをF–F bypass人工血管から確保する必要があり,良好な径の外側副伏在静脈(LASV)を認め,LASVを反転させF–F bypass人工血管と吻合し,in situ saphenous vein graft(ISSVG)にて膝下膝窩動脈と吻合した.術後下肢造影CTでISSVGは良好に開存していた.ISSVGでは中枢側の吻合部位に制限があり,良好なLASVがあれば本術式は考慮すべき方法の1つと考えられた.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.22-00028